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法律

相談 34:交際中の彼にお金を貸し、その彼に妻がいることがわかり・・・。

2015.11.28 Sat

こんにちは。
学生の頃の先生に相談したところ、こちらのサイトをご紹介頂いたので、相談にのっていただけないでしょうか。

1年程前にお付き合いしていた男性がいるのですが、その方に何回かに分けてですが249万円貸していました。
彼はバツイチという事もあり、色々と大変だと思い、そんなに催促してお金の返済を求めていなかったのですが、
私もお金が必要になり、催促しても今はお金がないとかで、返済してもらえませんでした。
そんな彼の行動や言動にも信用性がなくなり、色々と問い詰めたところ、離婚をしていなかったのです。
それを知ってからは、お付き合いをやめお金の件だけで、連絡とるようにしました。
しかし一向に返済してくれません。

お金の件は、一度私の友人が彼の家にお金の件で話に行ってくれたので、向こうの奥様はこの件の事を知っています。
私は、奥様に訴えられるのでしょうか?
そして、私は彼からお金を返済していただけるのでしょうか!?
私の中で彼との結婚も考えていたので、とてもショックをうけました。
私はどのように行動したらいいのでしょうか。
アドバイスを頂けたらと思い、投稿させて頂きました。

あき(愛知県・29歳・女性・会社員)

回答

回答 34:小島妙子さん(弁護士)

不貞行為の相手方に対する慰藉料請求について、最高裁は、「夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意又は過失がある限り、…(中略)…他方の配偶者と夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯び、右他方の配偶者の被った精神上の苦痛を慰謝すべき義務がある」(最判昭54・3・30民集33巻2号・303頁)としています。

そこで、肉体関係を持った時に、相手に配偶者がいることを知っていたのにあえて関係をもった(故意)、もしくは不注意のため配偶者がいることを知らなかった(過失)、のいずれかの場合でなければ法的責任を負うことはありません。

あなたの場合、相手の男性から「バツイチ」と聞かされ、結婚も考えていたというのですから、「故意」ではなく「過失」でもないといえます。奥さんに訴えられても慰謝料を支払う法的義務はありません。

一方で、交際中に彼に渡したお金は、贈与(あげた)のではなく、返す約束をしていた事実が立証できれば貸付金の返済を求めることができます。既にトラブルになっていますので、弁護士を立てて請求したほうがよいでしょう。

回答者プロフィール

小島妙子

ジェンダー法学に詳しく著作も多いすぐれた理論家であると同時に、セクハラ・DV、不当解雇、離婚、財産分与等々、幅広く訴訟を扱う頼りになる実務家。事務所にはほか2名の女性弁護士がおり、女性からの相談の受付体制は万全です。

タグ:非婚・結婚・離婚 / くらし・生活 / 女性政策 / 小島妙子