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お助けWANは、女性のこころと健康、仕事、法律の相談室です。このコーナーの担当者・回答者はいずれも、女性の心と健康、仕事など、暮らしに寄り添ってきた専門家です。どうぞ、安心してご相談ください。一人の悩みは、同じ悩みを抱える女性たちへとつながります。

こころ

相談 59:母との距離がうまく取れず、悩んでいます

2016.09.06 Tue

音楽大学の2年生です。母は地方都市に住んでいます。

母が毎日、たくさん携帯メールを書いてきます。返事を書かなければヒステリーを起こして電話をかけてくるので、仕方がなく返事を書いています。しかし離れてまでこのようにメールが来るのが、だんだん鬱陶しくなってきました。

実は、母と父は仲が良くないので、母は上京してきて私と一緒に暮らしたいと言うこともあります。今にもそれを実行しそうな時があるので、とても不安です。母はまるで父との不仲を埋め合わせるように、私を音楽大学に入れるため、小さい頃からレッスンの送り迎えをしてくれたり、家での練習を見てくれたり、本当に尽くしてくれました。ただ、母には冷たい父でしたが、私には愛情をかけてくれましたので、父が私に愛情をかけて接しているのを母は感じ取っていて、私につらく当たることもありました。

また、母はある健康食品に凝っていて、私にも大量に送ってきます。周りの人たちにも勧めていて、そのことで父が母に注意をすると、怒り狂ったようになって制御がきかなくなり、私のところに電話をかけてきて、父に対する愚痴を聞かされます。「もうたくさん!」と思って電話を切りたいのですが、母には私しかいないのにと思うと電話を切ることもできず、母の気持ちが収まるまで聞いています。

こういう母と、これからどうしたらいいのか教えていただきたいと思いました。どうぞよろしくお願いします。
(東京都・20代女性)

回答

回答 59:河野貴代美さん(フェミニストカウンセラー)

あなたは、母親にもう少し距離をとって付き合ってほしいのですね?そしてそれを彼女にわかってもらうために(言わないとわからないですよね)、あなたも母もお互い傷つかないように言うためにはどうすればいいだろうかと、私に問い合わせていらしたのですよね?

具体的だとこうなりますが、この理解でいいでしょうか?これでいいならあなたに注意を促したいのは、二つあります。

まず、お互いに傷つかない(不愉快にならない)方法はないと思っていただきたいこと。変化には痛みが伴います。もう一つは、一時的に不愉快になったり関係が決裂しても、それはきっと永久的ではないということです。それだけ強い結びつきをお持ちなのですから。

思わせぶりなどではなくて、キチンとおっしゃることとしては、例えば「わたしはもう十分に大人なのだから、もう少し自由にさせてほしい」とか、「わたしは母と同じ人格ではなく、別人である」とか、「母も自分の趣味をもつようにしてほしい」とか、「父の愚痴を聞くのは辛い」とかでしょうか。あなたの本音をご自身でお考えください。これらは結構明確に、きっぱりとおっしゃらなければ、通じないと思いますね。

それで、もう知らないと言われたら、我慢してしばらく待ってみること。あわててお詫びの連絡をしないことです。これをやれば、関係は変わらなく元の木阿弥になるでしょう。厳しい言い方になりましたが、本当に変わりたいならおやりになってみてください。

回答者プロフィール

河野貴代美

アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。