お助け情報

お助けWANは、女性のこころと健康、仕事、法律の相談室です。このコーナーの担当者・回答者はいずれも、女性の心と健康、仕事など、暮らしに寄り添ってきた専門家です。どうぞ、安心してご相談ください。一人の悩みは、同じ悩みを抱える女性たちへとつながります。

こころ

相談27「夫の病気を機に、置いてきぼりになった気持ちです」

2012.12.20 Thu

夫が数年前にがんを患い、闘病生活が始まりました。
本人もわたしも、相当なショックでした。
一時期はそれこそ、日々の全てがそのことで埋まり、
身体も心も、病気のことに費やされて来たように思います。
そこから手術後に一旦落ち着いたものの、再発が分かり、さらに手術をしました。
それをきっかけに、夫は人生に腹をくくってしまったようなのです。
残りの時間を、悔いのないように生きようとして、早期退職し、
これまでのサラリーマン生活ではできなかったことに取り組み始めました。
それも一人で、です。
それで、今度はわたしがうつになってしまって・・・。
自分がこんなに夫のことを思ってきたのに、
一人だけ、病気の不安を払拭して余生を満喫しようとしている。
それに対して、怒りすら覚えます。
わたしに感謝してくれ、というのではないのですが、
夫の未来に自分はないのか、と・・・。
わたしは、どう自分を立て直したらいいのでしょうか。
(60代、岐阜県、パートタイマー)

回答

相談27回答

お連れ合いが、がんをわずらわれて、それももう回復の見込みがないとでも
いうようなニュアンスのお手紙ですが、そうなのでしょうか。
あるいは、そこまでいってはいないが、彼がまるでそうと決めたように
振舞っていらっしゃるのでしょうか。
いずれにしても、現在の彼の暮らしのなかに
あなたが入っていないということをお感じになり、
それが辛いと思っておられるのは事実のようですね。
だとすれば、これまでのお二人の暮らしのなかに、
あなたは入っておられたのですか。闘病中はどうでしたか。
長く一緒に暮らしてきて、とても夫のことを思ってきたのに、それが伝わっていず、
今に至ってあなたがこれを悲しがっているということがよくわかりません。
仲のよいカップルであったのでしょうか。それが病気で突然崩れた?
こんな重大なことを、当事者である彼と話し合った様子もなく、
第三者の私などに相談されるということもよくわかりません。
気持ちを通じあわせるには話し合うしか方法はないと思うのですが、
実はそれがもう話し合える段階を過ぎている、とおっしゃられるような気もします
(だからあえて第三者に打ち明けた?)。
憶測をさけたいので、なんとか解決をお望みなら、
話し合ってください、と申しあげるほかないですね。
ひとりで自分の余生を構築しようとしている彼も気の毒だと思います。

回答者プロフィール

河野貴代美

アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。

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