お助け情報

お助けWANは、女性のこころと健康、仕事、法律の相談室です。このコーナーの担当者・回答者はいずれも、女性の心と健康、仕事など、暮らしに寄り添ってきた専門家です。どうぞ、安心してご相談ください。一人の悩みは、同じ悩みを抱える女性たちへとつながります。

こころ

相談38「PTA、子ども会育成会のことについて怒りが爆発しそうです」

2013.08.14 Wed

河野様
小学校のPTAおよび子ども会育成会のことについて、
熱心な母親、何もしない先生に対して怒りが爆発しそうで、ご相談します。
DV、就職、介護に比べれば緊急性は少ないかもしれませんが、
私はこれが数十年来、成年の女性を分断する仕掛けになっていると感じています。
PTAは男女共同参画団体でありながら、
会長、副会長の仕事以外のどうでもいい仕事を引き受けるのは母親です。
まさに地方の嫁。毎年どうでもいい仕事を一つはやるように割り当てられ、
仕事は断る理由になりませんとされて、仕事に支障がでるほど何かするように言ってきます。
また母親には役員もくじで問答無用にあたります。
お父さんは疲れているから休んでという母親(本部に多い)と、仕事をしている母親でうまくいきません。
母親にとって断る理由として認められているのは、小さい下の子がいるか、シングルマザーのパートです。
介護は理由として認められていません。
どなりあいもよく見ます。こんなPTAを現状放置している先生方にも怒りがたまっています。
子ども会育成会はもっと強烈。問答無用で何年か自治会、神社の下働きです。
何のためにわからないまま、休日をつぶされ肩腰が痛みます。
あと3年と、子どものために耐えていますが、耐えきれるか自信がありません。
コビト(平塚市・40代・女性・団体職員)

回答

回答38

コビトさま、
実は相談担当者が、これは「心理相談」ではないから、どうしましょうか、と尋ねてきました。
心理相談とは何かとなれば、これは難しい問題です。
でも、今回私が何らかのレスをしたいと思ったのは、前回の私の回答、
怒りの感情が大事だと書いたことに、あなたが反応されたかもしれない、ということと、
一フェミニストとしてあなたの怒りはよくわかることはお伝えしたい、と思ったのです。
コビトさま。
PTAにしろ子ども会育成会にしろ、いまだ男尊女卑的のみならず、
活動としてたくさんの問題を抱えていると感じています。
雑駁にいえば実に日本的風土・習慣の中にあり、本来の趣旨目的にそっていないように見えます。
「子どもの教育」のためにPTAが何ができるかを見失ってはモトモコモないでしょう?
役員の割り当てについても、不満をたくさん聞いてきました。
で、私は、目的にも合致せず、とても負担になりながら、やり続ける必要などないのでは、
誰もが担いたくないのであればPTAそのものを解体すればいいとすら思っており、そうも言ってきました。
河野さんのいうように、だからって辞めるわけにはいかない、という「熱心な」不満役員が
逆説的に言えば、不全なPTAを継続させているとすら思いますね。
(だだし、あなたの立ち位置は、ちょっとよく見えませんが)。
では、どうすればいいかは戦略の問題ですから、ここでは簡単に開陳できません。
繰り返しですが、男尊女卑的文化に怒りを感じておられることには共感することをお伝えいたします。

回答者プロフィール

河野貴代美

アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。

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