「男女間賃金格差に係る情報開示」。公務非正規は対象外??

6月3日に公表された「女性版骨太の方針」で、男女間賃金格差の情報開示がなされることが大きなニュースとして取り上げられました。関連して、6月2日には、日経新聞が、男女間賃金格差の情報開示は、公務員も対象にするものだという記事をだしました。男女間賃金格差の情報開示は、格差をなくしていくための重要な一歩となるものです。
■「男女の賃金差、公務員も開示義務 政府、「女性版骨太」明記へ」 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61350970S2A600C2MM0000/ 日経 2022年6月2日 14:30
しかし、よく情報を読むと、この男女間賃金格差の情報開示は、特に、公務員に ついては、非正規を対象外とする可能性が高いことがわかりました。 骨太の方針には、「男性と女性が同じ組織で働いていても、職務や職責が異なること等から、女性はより低賃金となる傾向がある。各組織において、それぞれ要因を詳細に分析し、女性の処遇改善につなげることが有効である」と書かれてあり、「男女の賃金の差異は、全労働者について、絶対額ではなく、男性の賃金に対する女性の賃金の割合で開示を求めることとする。加えて、同様の割合を正規・非正規雇用に分けて、開示を求める」とされ、民間は当然、非正規の女性比率や賃金も開示対象とあります。

しかし、公務については、女性活躍推進法に基づく開示とあるだけで、明確に、非正規(例えば、地方自治体における会計年度任用職員等)が対象となるという明記はなされていません。

公務非正規の担い手は、その約8割が女性です。そして、公務領域では、民間以上の正規ー非正規間格差があるという指摘がなされてきました。その、公務領域で、正規ー非正規間の格差の実態を含む、現状の賃金格差を把握し、開示していくことは、男女賃金格差解消のためにも不可欠なことではないでしょうか。 男女間賃金格差の解消の取組みから、非正規公務員を除外しないでください!

【関連資料】
■女性版骨太の方針2022
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/sokushin.html

■女性活躍推進法に関する地方公共団体向けFAQ
令和2年3月改訂版
https://www.gender.go.jp/policy/suishin_law/horitsu_kihon/pdf/faq.pdf

■女性活躍推進法 特定事業主行動計画・情報開示 掲載情報
https://www.gender.go.jp/policy/suishin_law/tokutei/todofuken_gaiyo.html

■はむねっとのこれまでの取組み
内閣府男女共同参画局への要望書「女性の非正規職問題の対象に、公務部門の非正規職も入れてください」の提出と回答
https://nrwwu.com/release/1359/