「おんなたちのメーデー前夜祭」
メーデー 毎年GWになると報じられる「労働者の祭典」。その起源は1886年5月1日のアメリカ・シカゴに遡ります。この日、低賃金で1日12時間以上も働かされていた労働者が劣悪な労働条件の改善を叫んでストライキに立ち上がりました。この闘いを記念する行事がメーデーです。
当時の労働者たちが掲げた言葉は「労働に8時間、休息に8時間、自分のしたいことのために8時間!」でした。この19世紀の労働者のストライキから世界中に「8時間労働制」が確立していきます。メーデーは人間らしい労働の獲得を祝う祭典として(戦争中を除き)続いてきました。
ところが日本ではいまだに会社で、会社+家庭で、家庭で1日12時間以上も働いている人々がいます。経済協力開発機構(OECD)の2021年の調査によれば、33か国中最も睡眠時間が短いのは日本の女性でした。日本の調査では、仕事と家事、育児・介護などの家族のケアを担う女性の睡眠時間が短いだけでなく、いわゆる専業主婦の女性も夫の睡眠時間より短いことがわかりました。日本の夫の家事労働時間が先進国の夫と比べて驚くほど短いのはよく知られています。
もし2023年の日本の女性たちに休息や自分のしたいことができる「8時間」が実現されていないのだとすれば日本の女性たちはいまだに1886年のように働いているということではないでしょうか。
<おんなたちのメーデー前夜祭参加の呼びかけ!>
労働者の祭典は、女性たちにとっても重要なイベントです。
女性たちはこれまで、職場での労働と、家庭内の労働の両方を担ってきました。二つの労働は、いずれも社会にとって重要なものです。ところが、育児や介護、家事などの家庭内の労働は、あまりにも無視され、それを担っていることで、低賃金や不安定雇用などの劣悪な労働条件に置かれ、解雇や嫌がらせなどにさらされることさえ少なくありません。マタハラ、家事ハラという言葉が、それを示しています。
子どもの病気や、家族のための食事づくりで残業を断ろうとするたびに、「だから女は」と言われる女性は後を絶ちません。残業ができない、転勤が難しい労働者は、同じような仕事をしていたとしても同一労働同一賃金の対象から外されてしまうルールが、私たちの社会のあちこちに埋め込まれています。
女性非正規が低賃金を問題にすると、裁判ではしばしば、「家計補助だから」と軽く見られ、敗訴することも少なくありません。
無償労働だけに従事していることで「働いていない」とされる女性たち、単身で生活しているのに「女性は夫の扶養があるはず」として低賃金で簡単に解雇される女性たちも、いまだに後を絶ちません。
女性たちが担ってきた労働の価値が守られない社会の中で、他の働き手たちも生活を顧みない長時間労働が当たり前とされ、人間らしい暮らしの権利を奪われています。
労働安全衛生は労働者には必須のものです。ところが、セクシュアル・ハラスメントという女性の安全を脅かす事態について、それは労働安全衛生の問題だ、と認められるようになったのも、本当に最近のことです。
そして女性たちは労働組合においても、こうした差別のもとに置かれてきました。
女性の労働は、なぜこれほど値切られ、無視されるのか。労働者の祭典であるなら、メーデーは、女性が担ってきた見えない労働も尊重し、その権利を守る祭典でなければなりません。
私たちは、すべての働き手のものへとメーデーを再生させるため、「おんなたちのメーデー前夜祭」を企画しました。強固な性別役割分業の下で居場所を奪われる性的マイノリティの働き手、男性であるがゆえに働く機械のように扱われてきた働き手、これらの人々とも連帯し、私たちは訴えます。女性たちの働きを等身大に評価する社会を! 人間らしい生活を送るための家事・ケア労働を女性たちの低賃金の理由にするな! と。
おんなたちのメーデー前夜祭
日時:2023年4月30日(日)14:00 (13:30開場)
場所:東京ウィメンズプラザ・ホール
(東京都渋谷区神宮前5-53-67)渋谷駅 宮益坂口から徒歩12分
表参道駅 B2出口より徒歩5分
「おんなたちのメーデー前夜祭」は働く者の世界的な祭典であるメーデーに、ジェンダー平等指数116位の日本の女性たちの声を発信します。 声を上げなきゃ始まらない!
●あなたの声が聞きたい!わたしも言いたい!(スピークアウト)
●呪縛の鎧を脱ぐ(ワークショップ)
●もやもやジェンダー(ちょっと待って、今の言葉)など、楽しみながら社会に問題を提起します。
主催:おんなたちのメーデー前夜祭実行委員会 maydayforher@gmail.com
告知がご覧になれます→ http://www.labornetjp.org/news/2023/0430kokuti
2023.04.25 Tue
カテゴリー:マイアクション / 終了 / 行動のよびかけ / イベント
タグ:労働 / 女性労働 / 女性の労働 / 働く女(女性の労働)