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リレーエッセイでふりかえる2011年 鈴木彩加
2012.01.13 Fri
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いつもB-WANを訪れていただき、ありがとうございます。
WANの開設とともにはじまったリレーエッセイも、いよいよ4周目を迎えようとしています。このリレーエッセイは、B-WANをささえるボランティアのみなさんが、順番にエッセイを書いていくという企画です。今では、20人くらいの方々が参加しています(あなたも是非!)。
3週目のリレーエッセイは、愛犬との思い出をつづった堀あきこさん「犬と猫、そしてホルモン」からはじまり、3.11を考えるために示唆的な本をたくさん紹介していただいた竹原明理さん「無音化された声を聴く」がアンカーとなりました。
このように、一本のバトンでさまざまなエッセイを読めることが、このリレーエッセイの魅力です。前回はこの話題だったのに、こういうふうに展開したのかと驚いたり、同じ話題でもちがった角度からアプローチされていたり。
3週目もさまざまなテーマが登場しました。人びとのなかにひそむ「悪意」について、「居場所」とはなにか、旅先で見たこと・考えたことなどなど。
なかでも、2011年3月11日おきた東日本大
震災と福島原発事故は、多くのエッセイでとりあげられました。
「復興」が震災後まもない頃から声高にさけばれるなかで、被災された方々や次世代への配慮(ケア)の大切さを語った、矢野久美子さん「ケアの座標軸」、yukiさん「過去と未来に思いをはせ今を生きること」、矢内琴江さん「『手当て』のしかた」。
3.11後の言論がもつ二項対立図式へ疑問を投げかけた、宇都宮めぐみさん「失ったものを取り戻す(上)(下)」、荒木菜穂さん「十人十色のヒトを尊重し合う、それを忘れる怠慢を反省する」。
突如として目のまえにあらわれる出来事。それを「見る」ための目を養う大切さをとりあげた、鳥集あすかさん「わたしたちの<日常>の行方」、トミヤマユキコさん「『未来』を見つめるために、眼のレッスンを」。また、過去の災害が作品として表象される方法に着目する、松葉志穂さん「倒れた樹を忘れるな」。
原発をめぐる言説を鋭く評した熱田敬子さん「『世界の終わり』のその後で--脱原発はゴールじゃない」、日合あかねさん「『遂行的矛盾』という批判のあり方」、絆や家族愛が称揚されるなかで、フェミニズム的親密圏のあり方をあつかった、田丸理砂さん「感傷にからめとられないために」。
3.11をきっかけに、わたしたちの世界と世界にたいする見方は大きく変化しました。このような状況のなかで、本がもつ力、人が考える力の大切さを、リレーエッセイをとおしてお伝えできたのなら幸いです。
4周目のリレーエッセイは、2月から掲載される予定です。引き続き、お楽しみに。
次回「聞こえない声と向き合って」へバトンタッチ・・・・つぎの記事はこちらから
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