
https://wwws.warnerbros.co.jp/barbie/ 映画公式サイトより
【投稿/ 映画評】Barbie嫌いにもぜひ見てほしい!映画「Barbie」 ◆ haru
2023年夏、世界的に注目を浴びている映画「Barbie(バービー)」を観た。20年生きていて、感想を口にしようとすると涙が出てきてしまう映画はこれがはじめてだった。それで、ネットではどのような映画評が出ているか気になって探ってみたら、私がみて欲しいところには触れていないし、言いたいこととぜんぜん違うことばかりだった。日本でのジェンダー問題意識の低さに嘆かわしくなった。
より多くの人に映画「バービー」を観てもらい、感想を共有できる場が広がることを願って、WANに映画評を投稿させていただこうと思います。
私はなぜ映画バービーを見て涙があふれたのだろう。
私の生きるリアルワールドに、バービーランドの「当たり前」が欲しくてほしくてたまらないからだ。
バービーランドは、「当たり前」に女性が女性として思う存分に活躍できる世界だから、バービーは大統領、宇宙飛行士、裁判官、物理学者としても活躍している。バービーランドは女性が輝く社会そのものなのだ。私は幼いころは、女性が活躍することは当たり前の世界なのだろう、と思っていたが、心に思い描いていたそのような世界はいつの間にか消え、「女だから気を配る」「優しいいいひとを演じる」「うまいこと男を持ち上げて機嫌をとる」などの考えに襲われるようになっていた。
リアルワールドから来た女性の長セリフのシーンが忘れられない。男性が鈍感に生きていられる男性中心社会に対する、怒り、不満、悲しみ、悔しさを爆発させ、リアルワールドのあり方に意義を申し立てるシーンに胸が熱くなった。私の胸の中のどこかで引っかかっていた思いを、まさに代弁してくれたようで、映画を見ている私も、ずっと苦しかった思いを吐き出せたかのように涙が溢れた。
私はこの映画に同じ大学の異性の友達をさそって見に行った。彼にとっては、はじめて知るバービーの世界なので、なぜバービーランドには複数のバービーやケンがいるのかを説明する必要はあった。映画を観た後の会話で、私たちの世代にも、いかに「男性中心社会」がしみこんでいて、「男性中心社会」が当たり前になっているのかを、強く実感したエピソードがあるので紹介する。
彼は、バービーたちが中心に描かれ、ケン(男性バービー人形)がそえもので脇役であることに、違和感を持ったそうだ。でもそれは、多くの映画では男性が中心に描かれ、女性が脇役という考えが当たり前になってしまっているからではないのか、と私が話をすると彼はハッとしたようだった。
女性に立ちはだかるさまざまな障壁の存在が、男子大学生にはまったく認識されていないとは!!男性側の無関心にあきれた。彼はジェンダーに関わる問題を、家庭でも学校生活でも身近な問題として捉えたことがなく、映画の感想を求められても、ジェンダーの知識がないゆえに発言することをとまどっていたと話してくれた。私たちが生きる世界は男性優位社会だということが認識すらされないとは嘆かわしいけれど、まずは映画バービーを観て、感想を言い合って、男女でジェンダーについて積極的に考える場が増えてほしい。
映画バービーは、女性向けの映画ではなく、男性側にも考えてほしいと語りかけている。
私たちの「男性中心社会」の「当たりまえ」は変えることができる。そのことに多くの人が気づいて、社会を変えるために一緒に行動したいと思う。
映画のオフィシャルサイトは https://wwws.warnerbros.co.jp/barbie/
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
性表現
LGBT
最終講義
博士論文
研究助成・公募
アート情報
女性運動・グループ
フェミニストカウンセリング
弁護士
女性センター
セレクトニュース
マスコミが騒がないニュース
女の本屋
ブックトーク
シネマラウンジ
ミニコミ図書館
エッセイ
WAN基金
お助け情報
WANマーケット
女と政治をつなぐ
Worldwide WAN
わいわいWAN
女性学講座
上野研究室
原発ゼロの道
動画






