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回答28:養父知美弁護士

2014.12.28 Sun


1.
セクハラです!

仕事にかこつけて食事に誘うこと、プライベートなことをしつこく聞くこと、もちろん、手を握ったり手の甲にキスをすること、断られているのにしつこく誘い続ける行為は、セクシュアル・ハラスメント(以下、「セクハラ」)です。

セクハラとは、職場において行われる性的な言動であり、性的な言動に対する被害者の対応によって労働条件において不利益を受けるものを「対価型セクハラ」、性的言動により職場環境が害されるものを「環境型セクハラ」と言います。

あなたが不快に感じており、体調まで壊しているのですから、能力の発揮に支障が生じていると言え、既に、「環境型セクハラ」に当たると言えます。仮に、あなたが誘いを断ったことによって、契約更新を断られたりした場合は、「対価型セクハラ」に当たります。

 

2.拒絶する権利がある

セクハラは、安心して働く権利や性的人格権(性的な事柄を自分で決定する権利、性的なプライバシーなど)を侵害する不法な行為であり、あなたには、上司のセクハラを拒絶する権利があります。

上司に対し、2人きりで会ったり食事をしたりするのは嫌であること、手を握られたりキスされたことが不快であったことを、ハッキリと伝えましょう。

3.記録をとろう

上司に伝えるにあたって、事前に、それまでの経過を詳しく、日時などもできるだけ正確に、記録しておきましょう。セクハラが始まる以前の上司の態度、あなたに対する評価なども、思い出せる範囲で具体的に記載しておきましょう。

記憶や気持ちの整理に役立ちます。以後の、上司とのやり取り、派遣先、派遣元とのやり取りなども、記録しておきましょう。メールは保存しておき、電話や口頭でのやり取りもできれば録音しておく。写真を撮っておく。文書はコピーしておく。

4.会社に相談しよう

また、派遣元か派遣先、あるいはその両方に対し、セクハラの事実を報告し、対応について協議しておきましょう。この場合、まずは、就業条件明示書等で責任者、苦情申出先とされている人に報告することになりますが、他に、信頼できる人や、相談窓口があれば、そちらに言ってもよいでしょう。

場合によっては、あなたからではなく、派遣先会社から直接上司に対して、セクハラを止めるよう注意してもらいましょう。派遣元から派遣先に、申入れをしてもらうことも可能です。

5.事業主のセクハラ防止義務

男女雇用機会均等法は、事業主に対し、セクハラを防止のための措置を義務付けており、相談窓口を置くことや、セクハラの事実が確認できた場合には、加害者と顔を合わさないですむよう配置転換をする、加害者に謝罪させる、加害者に対する指導や懲戒処分を行うなどの措置をとることなどを義務付けています(均等法第11条)。

また、これらセクハラ防止のための措置は、派遣元のみならず、あなたと直接の雇用関係のない派遣先にも義務付けられています(労働者派遣事業法第47条の2)。派遣元、派遣先に対して、何をして欲しいのか、あなたの希望を伝えましょう。

6.こじれたら

加害者や会社の加害者が、セクハラの事実を否定したり、あなたから誘ってきたなどと嘘をついたり、セクハラは止めたものの報復的な嫌がらせをしてくることは、よくあることです。また、派遣先や派遣元が、きちんとした対応をとらずに放置したり、セクハラの事実を否定したり、加害者を庇ったり、会社ぐるみであなたに嫌がらせをしてきたり、契約解除や雇い止めによってあなたを排除しようとしてきたりすることも、残念ながら稀ではありません。

そのような場合は、加害者本人のみならず、派遣先や派遣元に対し、損害賠償を求めて裁判所に訴えることも可能です。できるだけ正確な記録をとっておくこと、事前に、報告や相談しておくことは、そのような場合の証拠づくりとしても、重要であり、役にたちます。こじれそうであれば、早い目に、弁護士に相談することをお勧めします。

以上

カテゴリー:回答 / 養父知美弁護士

タグ:くらし・生活 / セクシュアル・ハラスメント / 男女雇用機会均等法 / セクハラ / no28 / 法律相談 / 養父知美 / 性的な言動 / 労働条件 / 不利益 / 対価型セクハラ / 環境型セクハラ / 職場環境 / 契約更新 / 拒絶する権利 / 性的人格権 / 派遣先 / 派遣元 / 就業条件明示書 / 苦情申出先 / 事業主 / セクハラ防止義務 / 加害者 / 懲戒処分 / 労働者派遣事業法 / 契約解除 / 雇い止め / 損害賠償