「WAN基金コロナ禍対策女性連帯プロジェクト」では、2020年7月30日、助成第12号として 派遣ユニオンに、助成金を振り込みました。
派遣ユニオンは働き方に関係なく、一人でも誰でも加入できる労働組合です。
2005年4月22日に「派遣ユニオン」を結成して、派遣会社や請負会社等で働く労働者を中心に、正社員、契約社員、派遣スタッフ、パート労働者等、あらゆる雇用形態の労働者を組織する個人加入の労働組合として働く人の人権を守る運動に取り組んでいます。
派遣ユニオンには、派遣労働者をはじめとする非正規雇用で働く人たちからコロナに関連した相談が多数寄せられています。
解雇、派遣切り(契約中途解除・雇止め)、休業問題、離職票問題などなど。
派遣や非正規雇用は女性の比率が高く、コロナに関する相談もほとんどが女性からのものです。
相談は、まず電話やメールで寄せられ、必要に応じて直接お会いして相談を受けます。本人が希望すれば、ユニオンに加入していただいて、会社と交渉して解決します。
いくつか例をあげれば以下のとおりです。
<相談事例1>派遣労働者・40代・女性
派遣会社からホテルに派遣され、フロントで働いていた。
コロナで顧客が激減し、ホテルが休館するとのこと。休館の前日で解雇された。
契約がまた残っているのに、残りの期間の補償もない。
<相談事例2>派遣労働者・50代・女性
コロナの流行に伴い、派遣先の指示で休業することになった。
ところが、休業期間中の賃金保障が全くない。
<相談事例3>派遣労働者・40代・女性
自分は契約更新したかったのに、コロナで雇止めになった。
離職票を1ヶ月間出してもらえず、その1ヶ月間に派遣会社が紹介した仕事を断ったら、離職理由を「自己都合」にするとのこと。
紹介された仕事は、時給も低いし、通勤も遠いし、仕事もやったことがないものだったので断った。
「自己都合」は納得できない。
相談事例1については、会社と交渉して残りの期間の賃金を全額支払わせて解決しました。
相談事例2については、派遣会社の多くが当初休業手当を支払っていなかったため、「休業手当を支払うよう派遣業界に指導する」よう繰り返し厚生労働省に掛け合い、支払われるケースが増えています。
相談事例3については、派遣労働者の離職票の取り扱いを是正するよう厚生労働省と交渉中です。
コロナに関連して多数の相談が寄せられており、相談対応、会社との交渉・解決、業界ルールを変えさせるための対応、行政のルールを変えさせるための対応などを行っています。
このような活動に対して、WAN基金運営委員会は敬意をもって助成を決定し、迅速に助成金交付を行いました。
WAN基金では、皆様からいただいた寄付を、次々にこのような「しんどい女性を支援する」女性活動団体に対して、 助成を進めています。