「あいち国際女性映画祭2020」が9月3日(木)~6日(日)に開催される。今回で25回目を迎える、国内唯一の国際女性映画祭である。会場はウィルあいち(愛知県女性総合センター)及び、ミッドランドスクエア シネマ。
新型コロナウイルス感染拡大の影響のため、多くの映画祭が延期や中止をしている中、本映画祭は感染防止対策を万全に講じ、国内外の女性監督作品を中心に30本の映画が上映される。海外監督の招聘はないが、オープニング作品のアフタートークは、韓国の監督と当映画祭初のオンラインで行われる予定である。日本人監督のトークやシンポジウムは開催予定だ。
以下に、いくつかの作品を紹介したい。
※全作品の紹介は、下記パンフレットのPDFをダウンロードしてご覧いただければ幸いです。
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『チャンシルさんには福が多いね』(2019年、韓国)
家なし、男なし、子どもなしの映画プロデューサー、チャンシルは突然失業してしまう。しかし、なぜか次々福が転がりこんでくる。すでにチケット完売の人気作品。
監督:キム・チョヒ
出演:カン・マルグム、キム・ヨンミン
配給:リアリーライクフィルムズ、キノ・キネマ
『若者の光』(2019年、韓国)
コールセンターのセンター長セヨンは実習生が行方不明となるが、その実習生から奇妙なメッセージを受け取ることから物語は展開する。格差社会、就職難など韓国の現在の生活を描いている。
監督:シン・スウォン
出演:キム・ホジョン、チョン・ハダム
『大いなる餓え』(2019年、台湾)
30歳独身、体重105キロの主人公は、母の勧めでダイエット・プログラムに参加する。しかし、無理な減量は彼女の心を蝕んでいく。
監督:シエ・ペイルー
出演:ツァイ・ジャーイン、クー・シュウチン
協力:大阪アジアン映画祭
『友達やめた。』(2020年、日本)
生まれつき耳の聞こえないわたし(=今村監督)とアスペルガー症候群のまあちゃん。些細なことでギクシャクし、わたしの心はイライラ、モヤモヤ…。さて、どうしよう。
監督:今村彩子
出演:林政世、今村彩子
配給:Studio AYA
配給協力:リガード
『ラ・カチャダ』(2019年、エルサルバドル)
エルサルバドルの露店で生計を立てる5人のシングルマザー。劇団「ラ・カチャダ」を立ち上げ、自分たちのライフストーリーをもとにした演劇に挑戦する。
監督:マレン・ビニャヨ
作品提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭
『淪落の人』(2018年、香港)
香港を舞台に、事故で半身不随となった男性と、住み込み家政婦として男性の介護をするフィリピン人女性の交流を描く。上映後、多文化共生社会について考えるゲストトークが行われる。
監督:オリヴァー・チャン
出演:アンソニー・ウォン、クリセル・コンサンジ
配給:武蔵野エンタテインメント
『ビリーブ 未来への大逆転』(2018年、アメリカ)
貧しいユダヤ人家庭に生まれたルースは、1956年、ハーバード法科大学院に入学する。主席で卒業するが、女だから雇ってくれる法律事務所はない。実話をもとに、史上初の男女平等裁判に挑んだ女性弁護士の物語。
監督:ミミ・レダー
出演:フェリシティ・ジョーンズ、アーミー・ハマー
配給:ギャガ
『ビリーブ 未来への大逆転』は、以前WANでも紹介しています。
『ビリーブ 未来への大逆転』 性別にもとづく差別を終わらせるために 中村奈津子
その他、国際交流企画として『杉原千畝 スギハラチウネ』(2015年、日本)上映後、シンポジウムが行われる。特別企画『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019年、日本)上映とゲストトーク、斉藤綾子セレクションのドキュメンタリー『さらはわが愛、北朝鮮』(2017年、韓国・ロシア)も興味深い。また、フィルム・コンペティション(実写部門・アニメーション部門)ノミネート12作品が上映され、グランプリの発表が行われる。
安全対策をして、ぜひお出かけください(山田祥子)。
あいち国際女性映画祭2020公式サイト https://www.aiwff.com/2020/