2011.01.27 Thu
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.私の所属する「ウィメンズカウンセリング京都」開設15周年のまとめとして、本書を仲間たちと一緒に書いた。私が男性中心の伝統的カウセリング業界からフェミニストカウンセリングに移ってきてから、もう20年。なにか黙々と実践に徹してきた感があるが、こうして書物の形に文章化してみると、結構言いたいことがあったのだと思い当る。とくに、男性中心の伝統的カウンセリングを批判することの意味と、ジェンダー平等の視点に立つカウンセリングの必要性を、フェミニストカウンセリングの理論や技法を論じることによって明確にしたつもりである。
この20年の間、女性クライエント(来談者)のみなさんから学んだことは多かった。カウンセリングルームから一歩も出ることのない伝統的カウンセリングの手法は、未だ従属的位置を強いられる女性一般にとって、なかでもDV、性暴力・虐待被害当事者にとっては有効なものではない。だからこそ、フェミニストカウンセラーは、女性クライエントの「語り」の証言者となり、アドヴォケイト(代弁擁護)活動を果たすことによって、「パーソナル・イズ・ポリティカル」の理念を追求することが、その実践課題となる。
フェミニストカウンセリングは、第二派フェミニズム運動を草の根のレベルで支えたCR(意識覚醒)グループから誕生したというユニークな成り立ちをもっているが、本書第三部「フェミニストカウンセリングの現場」において、「ウィメンズカウンセリング京都」のあり方がCR風に描かれているのも面白いのではないかと自負している。ここを真っ先に読んだという読者にも出会った。
カウンセリングに興味をもっていらっしゃる方に、「もうひとつの」(alternative)カウンセリングの存在を知っていだだければうれしいと思う。(編者 井上摩耶子)
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