健康
相談19:骨粗しょう症の服薬について
2017.09.23 Sat
68歳です。先日整形外科にて検査を受けたところ、骨密度が同年齢の94%
若年成人の70%と診断され、服薬を勧められました。
運動(水中ウォーキングとピラティス)もしていますし、栄養状態も悪くありません。
すぐに服薬したほうがいいのでしょうか。お尋ねします。
国分寺市 68歳、女性、無職
回答
回答19:内田宏美さん(医学部看護学科教授)
あなたは既に「骨粗しょう症」になっておられます。骨粗しょう症は女性に多い病気で、閉経による女性ホルモンの分泌量減少の影響に加えて、腸でのカルシウムの吸収が悪くなったり、カルシウムの吸収を助けるビタミンⅮを作る働きが弱まったりすることによって発症します。したがって、栄養状態が良くても骨密度は低下しますし、水中ウォーキングで骨密度は上がりません。年齢的にも、今後骨密度が大きく上昇するとは考えにくいので、治療を始めた方が賢明かと思います。
骨粗鬆症自体は命にかかわる病気ではありませんが、加齢による筋力の低下で転倒しやすくなり、骨密度が低いと骨折のリスクが増大するので放置するのは危険です。骨折は寝たきり状態を誘発し、健康寿命を著しく低下させるので、骨密度を高めることはとても重要です。
骨粗しょう症の予防には、適切な運動と食事が欠かせません。骨は、負荷が.かかるほど骨を作る細胞が活発になる性質があるので、踵で地面を踏みしめながら、しっかりとした足取りで歩くウォーキングやジョギングをすると良いでしょう。紫外線を浴びるとビタミンDが活性化するので、毎日30分程度のウォーキングは一石二鳥です。また、乳製品等で吸収の良いカルシウムを摂取することや、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨の形成を助けるビタミンK、骨を丈夫にするたんぱく質をしっかり摂取することは欠かせません。ただし、運動や食事は、持病や体調によっては悪影響が出る場合もあるので、主治医と相談しながら進めてください。
さて、食事と運動は骨粗しょう症の予防や骨密度を維持するために不可欠ですが、これだけで骨密度を上げていくには限界があります。そこで、薬物治療を追加することになります。骨粗しょう症の治療薬は、カルシウム製剤、骨の吸収を抑制する薬(女性ホルモン製剤、ビスフォスフォネート製剤、カルシトニン製剤、デノスマブ等)、骨の形成を促進する薬(活性型ビタミンD製剤、ビタミンK製剤等)に大別されます。毎日服薬する内服薬や、毎日あるいは定期的に注射する注射薬などがあるので、薬の効果、副作用、持病への影響、ライフスタイル等を考慮して、持続可能な治療を主治医と検討されることをお勧めします。(回答者:内田宏美)
回答者プロフィール
内田 宏美
1976年京都大学医学部附属看護学校卒業。手術室、循環器内科、放射線科、消化器外科など、大学病院で臨床経験を積んだ後、医療技術短期大学部専任教員となる。2000年の京大病院エタノール事故の後、初代の総括リスクマネージャーとして医療安全システムの整備に携わる。その後、鳥取大学保健学科を経て、2005年より現職。専門は看護管理、医療安全、医療倫理など。
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
性表現
LGBT
最終講義
博士論文
研究助成・公募
アート情報
女性運動・グループ
フェミニストカウンセリング
弁護士
女性センター
セレクトニュース
マスコミが騒がないニュース
女の本屋
ブックトーク
シネマラウンジ
ミニコミ図書館
エッセイ
WAN基金
お助け情報
WANマーケット
女と政治をつなぐ
Worldwide WAN
わいわいWAN
女性学講座
上野研究室
原発ゼロの道
動画












