こころ
相談66:職場復帰に向け、母をどう説得したらよいでしょうか。
2017.12.11 Mon
6月に長女が生まれ、現在は育児休業をとって会社を休んでいます。1歳となったときには会社へ復帰する気持ちで育休をとったのですが、わたしの母が「小さい子を保育園に預けてまで、働く必要はない。夫の収入でなんとか暮らすことを考えるべき」と、何度も電話をかけてきます。
夫は「子どもにはお金がかかるから、働き続けてほしい」といっています。
夫の母は既に亡くなっているため、わたしの母しか頼る人がいないのです。母になんとか納得してもらい、職場復帰をして、子どもが病気のときには母にも手伝ってほしいと思っています。どのように彼女を説得したらよいでしょうか。(りんご、30代)
回答
回答66:河野貴代美さん(フェミニストカウンセラー)
リンゴさま
育休が終了した後の保育園の確保はおできになっていますか?入園が厳しいことはメディア等でご承知と思いますが、そのことへの言及がなかったので、一言。母上の育児援助にもまして、こちらがあなたにとって深刻でないことを願っています。
さて、実母が育児援助に不賛成な場合、簡単にいえば2つのパターンがあると思います。1つめは、保守的な考えで、娘が子どもを得てまで働くことに反対。2つめは、娘の就労よりも、もう自分自身が孫の育児から解放されたいと思っていること。あなたの母上は1つめのようですね。「そこまでしても働くと言うなら、私は知らない」とおっしゃるなら、説得は難しいと思います。
2つめの場合なら、まだ説得のしがいもあるでしょうが、私としては、あなたがなぜ働きたい(働かねばならない)のかの理由を丁寧に話し合うこと、としか言えません。なぜ働くのかの理論武装も必要です。母上の援助がダメな場合、保育園から急によびだされるようなとき、会社の理解が得られるのかどうか、またあなたの就労を必要視しているお連れ合いはどう協力できるのか、十分に話し合ってください。周りを巻き込んだ戦略を考えなければならないと思います。
回答者プロフィール
河野貴代美
アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。
タグ:子育て・教育 / 河野貴代美 / フェミニストカウンセリング