お助けWANは、女性のこころと健康、仕事、法律の相談室です。このコーナーの担当者・回答者はいずれも、女性の心と健康、仕事など、暮らしに寄り添ってきた専門家です。どうぞ、安心してご相談ください。一人の悩みは、同じ悩みを抱える女性たちへとつながります。

こころ

相談71:過去と決別し、残りの人生を楽しく過ごしたいのです。

2018.10.03 Wed

私は2年程前から精神的に不安定な状態が続いています。母が認知症で介護が必要になり、長年勤務していた老人施設のヘルパーの仕事を辞めたあたりから不眠症、高血圧、頭痛、めまい等が立て続けに起こり、服薬治療中です。小学6年から59歳まで延々とあった生理が閉経を迎えたのも要因と医師に言われました。

30代の時に夫の浮気が原因で離婚を経験しています。母の介護で忙しい毎日ですが、「私の人生これで終わっていいのか?」と後悔の念が押し寄せます。暗い嫌な過去が蘇ってくるのです。母も私が子供の頃に離婚し、苦労して私を育ててくれた事には感謝していますが、母の愛情は間違っていたと思います。前述した初潮を迎えた時、母は私に「アンタ、これから気をつけなきゃダメだよ!」と言い、私は「気をつけるって何を?」母「気をつけるってのは、気をつけるって事だよ!」と。このくだりは忘れられません。生理は忌み嫌う汚れた物として私の頭にインプットされ、正しい知識を与えられずに成長したのです。中学生の時には交際を申し込まれた男の子の家に乗り込んで反対。高校生の時には「アンタには長い髪は似合わないから」と短い髪を強要。高校卒業後は専門学校へ。職場で知り合った人との結婚は大反対、デートをこっそり見に来る(母後日談)。

反発もせずに母の言うがままにして来た私も悪かったのですが、母の機嫌を損ねない様に波風立てぬ様にと、私なりの精一杯の生きる術だったと思います。もはやこの思いを母にはぶつけられません。ジワジワ締め付ける過去と決別したいのと、残りの人生は楽しく過ごしたいのですが、これからどうしたら前向きな気持ちになり生きていけるのか御指南下さい。(山形県63歳)

回答

回答71:河野貴代美さん(フェミニストカウンセラー)

精神的、身体的な問題は、医者のみたてのように、更年期障害なのかもしれませんね。少し遅めのように思いますが、、、。でもこれも個人によって違うでしょうから。

更年期のみならず、身体的、精神的困難は、時を選ばず、誰にとってもあります。どのように対処するかは、あなたがこれまで背負ってきた人生全体を視野に入れなければならず、ちょっとしたアドヴァイスで、どうにかなるようなことではない、と厳しいけれど申し上げておきます。

言うまでもなく、過去の時間は戻りません。未来の時間に何が起きるか全くわからない。これが人生だといえるでしょう。「今」を生きようとしない、考えたくない人は、過去を後悔し、未来を不安でいっぱいにする傾向があります。そしてそのような今の「無駄」を生きてしまうのですね。「私に’今’を生きなさい、と言ったって、今の私は、落ち込んでばかりの’今’です」と反論しているあなたの声がきこえそうです。はい、わかっております。

でも頑張って、今に耐えてください。ふっと何かを感じる時がおありになると思います。それを信じて、自分を信じて。

私の言葉とあなたの気持ちの遠さをわかりつつ、これしか私には反応できません。ただ耐えるしかない時がある、のも人生でしょうね。

回答者プロフィール

河野貴代美

アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。

タグ:河野貴代美 / フェミニストカウンセリング