こころ
相談73:病気を乗り越え、フェミニズムを語れる仲間とつながりたい
2019.02.21 Thu
私は在日、精神障害をもつ40代の女性です。高校生の時から統合失調症にかかり、学校も中退しました。大変つらいなかで精神病院にも2度入院しました。直近では5年前ですが、そこで看護師やほかの患者などから酷い虐待を受け、なぜ私がこんなつらい思いをしないといけないのか、いまだにわからないままです。
ですが、徐々に状態はよくなり、以前は全く外に出られなかったのがウソのように、毎日出かけられるようになりました。
わたしは、子どもの時からフェミニズムに大変興味があり、将来は女性学の研究者になりたいとずっと思ってきました。自らの経歴は考えず、今でもその決意はかたいのです。ですが、15の時から難読症にも罹っており、本を読むこともほとんどできず、知識をつけることができなかった事が残念です。
これも最近回復にいたっており、今、私はフェミニズム関連の話ができる友人がほしいのです。こんな社会人1年生のような私ですが、まず何処の門戸を叩けばいいのか、具体的に何かアドバイスいただければ幸いです。(大阪在住47才の女性)
回答
回答73:河野貴代美さん(フェミニストカウンセラー)
まず、ご相談への回答には、多様な理由で直ちに返事を差し上げられない事情があることをご理解いただけるようお願いいたします。
ところで、それは大変でしたね。ずいぶん昔、私自身も精神病院に勤務していて、当該勤務病院はとても良心的な施設でしたが、周りを見渡せば、患者さんへのひどい扱いや環境の悪いところが多々ありました。現在の実態はよくわかりませんが、まだまだ劣悪な施設もあることでしょう。
今はずいぶん回復されたとのこと、よかったですねえ。まだ服薬中ですか。それでもフェミニズムに興味を持っていらっしゃるとのこと、なんとかサポートがあることを願いたいものです。
研究者になる道だとはいえませんが、「フェミニストカウンセリング堺」という場所が大阪にあります。名前のとおりの施設ですが、ここには、カウンセリングを受けるとかグループに入るということでなくても、だれでも寄り集まっていいグループがあります。WANのHP上に、フェミニストカウンセリングの連絡先が載っています(「フェミニストカウンセラーマップ」https://wan.or.jp/map/list/counselor )。あなたがお近くにお住まいだといいのですが。そうでなければ、他のフェミニストカウンセリングの連絡先に電話してみて、あなたの希望するような活動(所属?)が可能かどうか聞いてみてはいかがでしょう。
うまくいくことを念じています。
回答者プロフィール
河野貴代美
アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。
タグ:河野貴代美 / フェミニストカウンセリング