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こころ

相談78:これはフェミニズムにつながる違和感でしょうか

2019.11.16 Sat

会社で嫌な気持ちになる出来事があり、嫌だった理由を考えるうちにこれはフェミニズムに繋がる違和感なのではないかと思うようになりました。

具体的な出来事が三つあります。
一つ目は、男性役員の発言です。彼が講師の社員研修で参加者を指して質問をする際、ある女性社員を「そこの人妻風の人」と呼びました。笑っていました。私はすごく不快に思いました。
二つ目は、私の部署の女性上司の発言です。当時女性のみの構成だったのですが、ある時二人産休に入ることが決まりました。人員募集の話の際に彼女が「次は男性を採用しようと思っている」と言いました。それ自体は良い試みだと思ったのですが、その理由を「女性は急に産休を取ったり体調を崩して休んだりするから。安定して働いてくれる人材が欲しい」と説明され、モヤモヤしました。
三つ目は、一つ目と同じ男性役員の発言です。私の部署に、一人の男性社員が異動してくることになりました。席替えの直後、役員が通りかかり彼を「可愛いね」と言ってからかいました。前後の流れから、君も女性みたいで馴染んでいるね、という意味だったようです。これも嫌でした。

この三つの例について自分がなぜ嫌だと感じたのか、また本当にフェミニズムに繋がる違和感だったのか、私にはまだ明確に説明することができません。考えを深めるために同じような経験を持つ人と話してみたいと思っています。まずはどのような場所へ行ってみればいいでしょうか。

長くなってしまい申し訳ありません。お答えをいただけると幸いです。
(春・26歳・会社員・東京都)

回答

回答78:河野貴代美さん(フェミニストカウンセラー)

春さん

あなたの訴えよくわかります。回答者自身も、拝読して、同じく不快を感じますから。

問題は、あなたのご指摘のように、こういうことを不快に感じていいいのかどうか、ですよね。感覚は非常に個別差があるし、ある感覚が正しいか、正しくないかの基準はないからです。ある人が真夏に毛糸のセーターにコートまでを着ていたら、寒暖感覚がおかしいのかも、と言えるでしょう。冷房に関係あるとは思えないから。でも単に長袖のブラウスなら、どうということもありませんよね。

基本的にフェミニズムの訴えてきた不快感には、多くの女性の共感があり、そう感じてもOKよ、と言える歴史を積み上げてきたことをお伝えします。一言でいえばあなたの感じ方をあなたが信じてあげるということ。セクハラ、パワハラ等ですね。「妻風の人」や「かわいいね」がセクハラとまで言えるかどうかは置いて、不快であることは事実です。不快感の強弱によって、声を挙げるか挙げないかが問われましょう。

それでも若干ご自分に自信がなければ、目下各地で行われている、フラワーデモ(性暴力を受けた人が声を挙げ始めています)などに参加してみてください。きっとあなたの感じ方をサポートしてくれるでしょう。それとこのWANの様々な活動、上野ゼミ等に参加してみてください。

「かわいい」をとれば、この彼は、伝統的な女らしさ、を誉め言葉とおもっているのでしょう。妻風も同じですね。女性の特性には別の言語もあるはずですよね。

回答者プロフィール

河野貴代美

アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。

タグ:くらし・生活 / 河野貴代美 / フェミニストカウンセリング