法律
相談63:高校卒業後、現在に至るまでの3年間をシングルマザーの母に変わって認知症の祖母の面倒をみて来ました
2020.06.01 Mon
高校卒業後、現在に至るまでの3年間をシングルマザーの母に変わって認知症の祖母の面倒をみて来ました。小さい頃に酷く叱られた恐怖感が染み付いてしまい、怒られないように良い子でいようという気持ちが常に心の中にある子供で物心ついた頃から母に逆らったことがありませんでした。自分の夢も昔はありましたが認知症の祖母の面倒をみて欲しいと願う母の気持ちに何も言えず祖母には申し訳ないですが気づけば母に従うだけの無意味な3年間を過ごしたように思います。
そんな私ですが1年ほど前から結婚したいと思う人に巡り会うことが出来ました。先日その事を母に話したところ恩知らずと言われてしまい彼と二度と会うなと告げられてしまいました。今まで母が全てで生きてきましたが、彼がそうではないことを教えてくれました。文字数があるためここで全てを上手く表現することが出来ませんがこれから先を後悔しないために彼と生きたいと思っています。本題ですが彼を絶対に母との関係に巻き込みたくないため母には行き先が分からないように家を出たいと思っています。経済的余裕がなく自力で直接お聞きすることが出来なかったので、戸籍や住民票など法律面で母に分からないように移動させた方が良い物やタイミングを教えて頂きたいと思い投稿させて頂きました。宜しくお願いいたします。
回答
回答63:櫻井 みぎわさん(弁護士)
最近少しずつ知られるようになってきたヤングケアラー(家族にケアを要する人がいることで、家事や家族の世話を行う若者)ですね。
ヤングケアラーは、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負うことで、ヤングケアラー自身の生育や教育・就業に影響を及ぼすことがあり、本人や家族に適切な支援を行っていく必要があるとされています。(まずはヤングケアラーについての国や自治体による広範な実態調査が望まれます。)
あなたご自身も、多くの犠牲を払って3年間も祖母の介護にあたってこられたのだと思います。それにもかかわらず、恩知らず、とか、彼と二度と会うなと言われるというのは本当に理不尽なことと思います。
これから先を後悔しないために彼と生きる、という決心がついてよかったと思います。
お母さんに行き先が分からないように家を出たい、とのことですが、確実なのは住民票を異動させないことでしょうね。
どうしても住民票を異動させる必要がある場合は、あなたの受けた行為が児童虐待にあたるかどうかは相談票からははっきりしませんが、もし、児童虐待にあたるのであれば、住民票等の閲覧交付の制限措置を申し出ることも可能かと思います。
児童虐待やこれに準ずる行為の被害者の住民票については、DVの被害者と同様、申し出があれば、役所は、その被害者の住民票や戸籍の附票の閲覧や謄写に関して、加害者及びその代理人からの請求を受け付けないことが義務付けられています。(この措置の期間は申し出から1年で、延長が必要な場合は、期間終了の前に延長の申し出を行います。)役所に相談してみて下さい。
どうぞ、新しい人生を歩み出してください。心から応援しています。
回答者プロフィール
櫻井 みぎわ
フェミニズムに大きな影響を受けました。
「個人的なことは政治的なことである」という言葉に深く共感。
このメッセージを相談者の方とも共有できればと思います。
離婚、相続、DV、虐待、成年後見、少年事件などを多く担当してきました。
タグ:貧困・福祉 / DV・性暴力・ハラスメント / 非婚・結婚・離婚 / くらし・生活 / 女性政策 / 高齢社会 / 法律相談