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キャリア

相談27:35歳事務職。夫の言いなりになる人生はもう嫌

2022.03.08 Tue

はじめまして。
私は35歳、関東で事務職をしており、6歳の息子がいます。これを書いているのは2月ですが、4月から夫が家の事業を継ぎたいからUターンしたいと言われました。
このUターンについては私達夫婦の中で前から問題になっており、家を継ぎたい夫と、行きたくない私で話し合いは平行線です。

私は今までも夫の転勤に付き合ってきたため、何度も仕事を変わらなければなりませんでした。今の事務職も簡単に見つかったわけではありませんし、やっと3年続けられた、私にとって大切な仕事です。それを簡単に辞められると考えられるととても苦しく、キャリアのない自分が情けないです。例えば管理職、士業などだったら辞めろなどと言われないのではないかと、、
子供が小さいので親子3人でいるべきという夫の考えから、単身赴任はしたくないそうです。私はここに残りたい、単身赴任もしくは離婚でもいいかと思っています。もちろん私の生活は厳しくなりますが、夫の言いなりになる人生はもう嫌なのです。非正規雇用であるが故に、強く仕事を主張できない面もありますが、家族に合わせてきたつもりなのにいつも立場が弱く悔しいです。

私は自分の意思を主張すべく、どんなキャリアを備えればいいでしょうか?またこの状態で離婚(満足に育てられる自信がないので親権は夫)することは、間違っているのでしょうか?
もしご指導頂けましたら幸いです。(ひかり 千葉県 35歳)

回答

回答:27 重原 惇子さん(キャリア・カウンセラー)

ひかりさんへ

やっと見つけて3年間続けていらしたお仕事を辞めたくないというお気持ち、痛いほど伝わってきました。
ひかりさんとしては、今まで家族最優先で生活していらしたこと、それが顧みられていないことが悔しいと感じていらっしゃるのでしょう。
今後のキャリアを考えて関東に残りたいとお考えのなのですね。

まずは、お二人の話合いの継続をお勧めしたいと考えます。
4月からUターンされるということは、パートナーの方は退職等の手続きも進められているかとも思われますが、結論を出すには時間が短すぎるように思います。
とりあえず、パートナーには単身で実家に戻っていただきましょう。
少しクールダウンしたところで、悔しかった思い、我慢し続けた辛さなどあなたのお気持ちを丁寧に冷静に伝えてみてはいかがですか。

その上でも妥協点が見いだせないとしたら、ひかりさんとしては離婚も止む無しという思いなのですね。
親子3人で暮らすべきとおっしゃるパートナーですから、離婚という選択肢は受け入れがたいのではないかと推測します。
ひかりさんの強い決意に、パートナーの考えも変わるかもしれません。

ここで、ひかりさんにお尋ねします。
文面には、「夫の言いなりになる人生はもう嫌なのです。」とあります。
①振り回されることがイヤなのか、②ご自身の希望を実現できないのがイヤなのか?

例えば、①だとします。
言いなりにはなりたくないけれど、自分で選択するのなら問題ないのではありませんか。
キャリアとは、職業キャリアだけではなく人生そのものだと私は考えます。
あなたの生きてきたこと、経験したことすべてがあなたのキャリアです。
ここで少し視点を変えてみましょう。
パートナーのご実家の事業に、あなたが関わることはできませんか?
今まで培ってきた事務処理能力を活かせる場所があるのではないですか。
パートナーの郷里で、あなたが働く場所は探せませんか?
あなたが主体になって選び取るなら、それがどこであってもきっとあなたらしく生きられることでしょう。
そういった積み重ねがひかりさんの人生を充実させていくはずです。

もし②だとしたら・・・
あなたは3年後、5年後、10年後どうなっていたいですか?
どこで、だれと、何をしていたいのでしょう。
学生時代の夢、社会人になってからの希望、家族のためにあきらめた夢があるはずです。
それを実現させるためにはどうしたらよいのかを起点に考えてみてはどうでしょう。
具体的な目標があれば、ロードマップも作りやすいですよね。

「どんなキャリアを備えればいいか」とのご質問ですが、あなたのご希望、適性、スキル等がわからないので、なかなか返答が困難です。
事務職を3年継続していらっしゃるので、ある程度のPCスキルはお持ちだと思いますが、今後正規雇用を目指されるとしたら、MOS等のIT関連資格はぜひ取得してください。

「離婚が間違っているかどうか」は、第三者には決められないことだと思います。
シングルマザーの生活の困難さはひかりさんもご存知のとおりで、大きな社会問題となっています。前夫からの養育費や公的支援の受給など制度もきちんと利用してください。

いろいろと書き並べました。
何かひとつでもひかりさんのチカラになれば、とても嬉しく思います。

回答者プロフィール

重原惇子

2級キャリア・コンサルティング技能士。キャリア・カウンセラー。女性、若年者を主な対象者として、現在は“若者サポートステーション”で、働きたくてもなかなか動きだせない若者たちの悩み、苦しみに向き合っています。年間のべ1000回のカウンセリングを通して感じたのは、個人の努力の限界と日本の雇用体制の矛盾。でも、まずは、目前の相談者が来た時より元気になって帰っていけるようなカウンセリングを心がける毎日です。