お助け情報

お助けWANは、女性のこころと健康、仕事、法律の相談室です。このコーナーの担当者・回答者はいずれも、女性の心と健康、仕事など、暮らしに寄り添ってきた専門家です。どうぞ、安心してご相談ください。一人の悩みは、同じ悩みを抱える女性たちへとつながります。

こころ

相談21「母のことで相談です」

2012.07.17 Tue

母のことで相談です。
大学で7年間の下宿生活の後、この4月から両親との同居生活に戻りました。同居の数か月前に、私に友達以上恋人未満とでもいうような人がいることが母に知れました。彼は留学生です。一度は恋人のような関係に陥りかけたものの、彼には結婚を考えていた彼女がいたので、友達と言う関係をキープしていました。ただ、私は彼のことがどうしてもあきらめられずに、好きと言う気持ちを持ち続けていました。彼もそのことは知っていたはずです。
母はこの関係をずるい、ありえない、別れろと言います。彼は両親にも会わせた彼女と別れ(私と仲良くしすぎたのが一つの原因)、今はフリーです。母はそんな彼に会いに行こうとする私を実力で阻止します。彼をとるか、私を取るかのどっちだ、とも言います。母の不安は理解できるのですが、この話になると母はパニックになり、何の話もできません。外国人とは一生お付き合いも結婚もしませんという誓約書を書けとまで言います。私はその彼と今付き合いたいのか正直わかりません。ですが母とはいえ、娘が誰かを好きになるということまで制限できるのでしょうか。つい、それは私の問題でお母さんには関係ない、と言ってしまいます。
母は20年以上専業主婦で、遊びに行く友達も趣味もありません。自分のしたことがまるっきり正しいとも思えない一方で、素直に母の言うことに従えない自分もいます。どうしたらいいのでしょうか。(愛知県・25歳女性・会社員)

回答

相談21回答

娘を自分の自由にしたいという母親はたくさんいるようです。おっしゃるように、母が自分なりの暮しを持たず、子ども(特に娘のあなた)に依存している様な場合は余計に縛りがきつくなるのでしょうね。お書きになっていないのでわかりませんが、今回の場合のみならず、これまでも母親の支配的言動がおありになったのですか。もしあったとすれば、それらにどのように対応されてきたのでしょうか。そのときのあなたの対応を思い起こして、有効ならそれを使ってみてください。
いずれにしても、母を取るか男を取るかと迫ることは、とてもおかしいことですよね。母親とはいつまでも一緒に居られないし、この彼と結婚しなくても、大人のあなたは今後あなたなりの家族を作っていくはずだし。このおかしさが母親にはわからないのでしょう。どのように説得しようとしてもおわかりになるような気がしませんね。だとすれば、母親の言いなりになるのではなく、反抗していくしかないと思います。これまでそのような反抗をされなかったから、今の事態があるような気がします。ちょっと遅い「反抗期」ですが、いちどこれを乗り越えないと、元気な限り母の支配は続くのではないでしょうか。必要なら家を出て、一人暮らしをしてみるのも経験的にはいい栄養になるでしょう。
それができないから相談しているとおっしゃる声も聞こえそうですが、変化はときとして、ラディカルにならざるをえません。お互いに分かり合って合理的に、というのはムリな事がおおいのですね。

回答者プロフィール

河野貴代美

アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。

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