お助け情報

お助けWANは、女性のこころと健康、仕事、法律の相談室です。このコーナーの担当者・回答者はいずれも、女性の心と健康、仕事など、暮らしに寄り添ってきた専門家です。どうぞ、安心してご相談ください。一人の悩みは、同じ悩みを抱える女性たちへとつながります。

こころ

相談41「夫が突然、遠く県外へ転勤をすることになりました」

2013.11.03 Sun

夫が突然、遠く県外へ転勤をすることになりました。
いつかは、と予測していたのですが、まさか今?という感じで驚いています。
できれば夫にはしばらくだけでも単身赴任をしてもらいたいのですが、
夫の希望は、わたしが一緒に行くことです。
話し合いはいつも平行線になってしまい、折り合いが全くつきません。
県外へ行けば、わたしも失うものがたくさんありますが、
特にわたしが仕事をしていることへの配慮が夫には何もなく、
自分のことで手一杯な様子で、それが一番、ショックに思います。
もちろん夫と一緒に過ごしたい気持ちは当然ですがありますし、
夫の一緒に行ってほしいという気持ちにも応じたい気持ちもあります。
ただ、どちらを選んでも後悔が残る気がします。
どう判断していいのかは、わたし自身まだ決めかねていますが、
夫はもうすぐ転勤先に行かなければならないので、
半ば強引にこのまま、しばらく別居夫婦のような状態となりそうです。
こんな時、いつも女性の側だけが
男性の仕事の犠牲にならなくてはいけないのはどうしてでしょうか・・・。
気持ちが常にざわざわして、落ち着かずにいます。
河野さんだったら、こんな人生の岐路を、どうお考えになりますか?
(30代、女性、会社員、福岡県)

回答

回答41

河野ならどうするか、名指しでお尋ねになられたので、答えますね。
私なら彼に単身赴任をしてもらい、私は自分の仕事を大事にするでしょう。
いつも会えないというデメリットはありますが、それはお互いなんとでも都合をつけあえばよい、と考えますね。
実際にこれまで私には、パートナーとは、米国と日本、ネパールと日本に別れるという場合がありました。
どちらも外国のほうが私でした。
その前に、これまで私は「勉強(学校ではなく)しなさい」「仕事をしなさい」
「自分を大事にしなさい」と言ってくれるパートナーしか選んできませんでした。
なんか、少し異なった世界の話だと思われるかもしれませんが、まあ、こんなことも
自分が望み選択すれば、可能だと思います。
で、あなたですが、どの程度ご自分の仕事を大事に思っておられますか?
話し合いで、その程度を強調なさいました?
このような場合いつも犠牲を強いられるのが女性というのは、企業自体が、
共働き夫婦の都合など考慮しないで、勝手に男性を赴任させるということならそのとおりですが、
夫婦間でどうするかは、二人の問題だと思いますね。
短い文章を拝読しての、いささか穿った感想を申し上げてもいい?
あなたは基本的に彼に付いていってあげたい、そうするしかないと思っている。
ここの気持ちは半々というより、行くほうをとりたいように聞こえます。
でも彼のほうが「君の仕事も友人関係等大事なものを失うのはわかっている。気の毒だと
思ってもいる。でも一緒にいたいし、助けてももらいたいから、お願いだから付いてきて
くれないだろうか」と頭を下げないことにショックを受けているように思われます。
このように言う男性がこの日本にそう多くいるとは思えませんが、
これなら気持ちはすっきりなのじゃないでしょうか。
あなたのことをこのように考慮してくれない夫をどうするか、どうしたいかが問題ですね。
もし私の言い分が遠からずあたっているなら、このように話し合うのもいいのでは。
お願いしてちょうだい、と。結果さらに夫とどうしたいかの選択肢がふえるでしょう。

回答者プロフィール

河野貴代美

アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。

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