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お助けWANは、女性のこころと健康、仕事、法律の相談室です。このコーナーの担当者・回答者はいずれも、女性の心と健康、仕事など、暮らしに寄り添ってきた専門家です。どうぞ、安心してご相談ください。一人の悩みは、同じ悩みを抱える女性たちへとつながります。

こころ

相談51「買い物依存症のような気がします」

2015.07.02 Thu

 どうも自分は、買い物依存症のような気がします。少しでも仕事や友人関係でイライラすると、帰り道に洋服とか靴などを買ってしまうのです。もう1年くらい続いているため、部屋中にものが溢れてきて、自分でもどうにかしないと、とさすがに思い始めてきました。最近は母にも、顔を見るたびに何とかしなさいと言われて、すぐに口げんかになります。でも、どうしたらいいのか分かりません。
 実家にいるので経済的には困らないのですが、こんな状態なので、貯金はまったくありません。家族には、ある程度の貯金があるように嘘をついています。母に、そんなに物を買ってどうするんだとか、いい年して片付けできないなんて恥ずかしいと言われるたびに、せっかく買い物をして幸せな気持ちになったのにと、イライラが増えてしまうような気がします。
 地方の小さな町なので、病院とかとてもじゃないけど恥ずかしくて行けないし・・・。病気なのか、一時的なものなのかも分からなくて、誰に相談したらいいのかも分からず、先生にお尋ねしてしまってすみません。このまま、自分はどうなっちゃうんだろうと不安です。
(光 30歳 OL 千葉県)

回答

回答51

光さま、
 ご自分で「買い物依存症」ではないか、とおっしゃっておられるので、この問題についてはご存じなのですね。つまり、物そのものが欲しいわけではない、と。何を買ってもどうも満足しないご自分がいる、だからまた買ってしまい、その悪循環が切れない、と。そのような心理の根源をのぞきこんでみれば、物に仮託している何らかの欠損感があるということでしょうね。
 おおざっぱに言えば、買い物依存の心理状態はこういうものです。普通、あるものが欲しいと思ってそれを手に入れたら、一応は満足しますよね。あなたも、幸せな気持ちになると書かれています。そこに買い物それ自体を非難し、さらに片付けるようにとの命令が入り、それに反応してしまうご自分がいる。
で、イライラしてまた買う・・・。
 ひょっとしてあなたの問題は、あなたを受け入れ、サポートしてくれない(?)母親との葛藤がおありになるのでしょうか。買い物(と買った物の放置)は、そのような母親へのあてつけでしょうか。換言すれば、もともと母ー娘問題が横たわっている?別の言い方をすれば、先述の「欠損感」は、母親への満たされない基本的な欲求なのでしょうか。このあたりちょっとお考えください。
 病院でなくても、女性問題にかかわる相談所があります。千葉県立や千葉市立の男女共同参画センター(女性センター)には相談部門があり、秘密は徹底的に守られます。インターネットはおやりのようですから、ぜひ検索してみてください。

回答者プロフィール

河野貴代美

アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。