こころ
相談52「彼と別れようか悩んでます」
2015.07.24 Fri
彼と別れようか悩んでます。性格がもともと合わないと感じてますが、彼は、「俺たちは合う」とか言ってきます。私は細かいことを気にしないタイプで、「ま、いいじゃん」と流したりするし、大雑把なところがあります。それに対し、彼は神経質で、私とは真逆のタイプです。
今、彼の持っているマンションに一緒に住んでいるのですが、生活面とかで細かく指摘されたり、話し方とか礼儀とか色々なところで指摘してきます。そして、できなかったりすると、すごく怒られたりします。私は、 彼は相当短気だと思うし、怒りの沸点が低いと感じます。「そんなこと気にする必要ないんじゃない?」とか、色々意見を言うと言い返してきて、「これが正論だから」と、絶対に曲げませんし折れません。彼は相当頭がいいので、先を考えて言ってるのはわかります。「将来君が困らないために言っているんだよ!」と言っていますし、その気持ちもわかります。しかし、毎日毎日細かく言われたり、よく怒られたり、「黙ってないでしゃべってよ」とか言ってきたりして、仕事で疲れて帰ってきて安らぎたいのに、本当に疲れてしまいます。なので、家に帰るのも毎日憂鬱です。ケンカが絶えません。
あと、周りの友達の程度が低いから私に悪影響が及んでいるから、そんな子達とは付き合うな!と言われたりします。やきもち焼きで、好きでいてくれるのはよくわかりますが、行動とかスケジュールとか多くのことを制限されていて、息が詰まりそうで、ストレスが溜まります。何度も別れたいと思って彼に話したりしましたが、毎回情で訴えてきて、引き止められてます。なかなか別れさせてくれません。家を出て、置き手紙をおいて去ろうかと試みたのですが、彼は状況的になかなか家を空けないので、家を出る機会がないです。
彼はいいところもあるので、そこをよくみていこうとか、もう少し関係を続けてみようとか考えましたが、冷静に考えると、これでいいのかな?と思ってしまいます。彼と結婚の話が出ていますが、今相当悩んでいるくらいなので、結婚はしないほうがいいのかなとか思っています。私の親にも合わせていて、話が進んでいたりします。引き返すのが今更タイミング的に厳しい状況ですが、どのようにしたらよいか解決方法をアドバイス頂きたいです。お願い致します。
(N子)
回答
回答52
N子さま、こういう葛藤は恋人関係のみならず、あらゆる関係に見られますよね。自分にない傾向を持つ人に惹かれながら、関係が安定するほどに、自分の基準からみて反対の傾向をいやだと思ってしまいがちです。
イエイエ、あなたのことを指摘しているのではありません。単なる一般論です。そこで、あなたの関係を考えてみるポイントを書いてみますね。
①生きていくうえでの価値観、と、②生活習慣や慣行を、ちょっと切り離してみること。前者は、生活信条とか思想とか死生観です。たとえば、私はフェミニストですから、男女差別のみならずあらゆる差別に鈍感な人とは、ごく表面的な関係しか作れないでしょう。政治的にも社会的にも「保守的な」人とか。家庭生活や家族のテーマでもいいでしょう。こんなこと話し合ったことがない?ぜひ話し合ってみてください。こいうことが大事だと相手が思わなければ、私ならアウトですね。関係(結婚)は一瞬で終わるわけではありませんから。伺うかぎり、彼はけっこう支配欲の強い方のように聞こえますが、これが彼の大事な価値観ですか?支配と愛情はコインの裏表ですから、見間違いのないように。
②生活習慣の違いは、それぞれが育った家庭での教育が違う以上、避けられないものです。細かすぎるとか、口うるさいとか、要は習慣や慣行の違い。たとえば四角い部屋を丸くはく、とか。これらは話し合って、どこかに落としどころをみつけて、長い年月の後にお互いに変えていくしかないでしょう。こちらの方は変えやすいように思われますが、いかがでしょうか。
ただ、あなたの別れたいと言う決意にもかかわらず、どうしても別れさせない、というようであれば、しかるべき相談所にいらしてみるのもいいかと思います。WANのサイトにも、相談の情報があります。
回答者プロフィール
河野貴代美
アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。