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お助けWANは、女性のこころと健康、仕事、法律の相談室です。このコーナーの担当者・回答者はいずれも、女性の心と健康、仕事など、暮らしに寄り添ってきた専門家です。どうぞ、安心してご相談ください。一人の悩みは、同じ悩みを抱える女性たちへとつながります。

法律

相談 27:夫の実家から夫に借金の申し出が…こんなことが続いたらと思うと不安です!

2014.11.22 Sat

夫の実家のことで相談です。
夫の実家は主に花を作っている農家で、兄が継いでいます。夫は国家公務員です。先日、夫の実家から夫に借金の申し出があり、300万ほど夫の貯金から貸しました。どうやら、農家の経営がうまくいっていないようなのです。結婚して5年です。結婚当初は、夫の実家と私の実家の資産状況は同じぐらいだと思っていたのですが、最近は、自転車操業のような状態だったようです。
夫の両親も70代の後半になり、今後、このような形で、お金がないからと私たちに泣き付いてくるようなことがあったら、私たち家族の生活が成り立っていきません。夫には、親と今後のことも含めて話しあってほしいと言っているのですが、両親に向かって、夫は何も言おうとしません。
私は一人娘で、私名義の資産が少しあります。本来なら、夫に養子に来てもらいたかったのですが、夫の両親の反対で、私が夫の姓を名乗ることになりました。私の実家の相続に関しては、子ども(5歳長男、3歳長女)のうち3歳の長女に継がせるようにしております。
このまま、借金が増えたらと思うと、とても不安で、何か法的にできることがあれば、教えていただきたいのです。夫の兄は、私たちが夫の実家に行ったとき「このうちの財産はお前にはやらん」と夫に言いました。もちろん私は夫の実家の財産などあてにしておりません。むしろ、このままだと私の実家の財産をあてにされそうです。取り越し苦労と言われるかもしれませんが、そのようなことは避けたいのです。(30代 主婦)

回答

回答 27:小島妙子さん(弁護士)

夫にとっては,未成年時代の親から受けた養育の「返済」みたいなものですから,親からの(実際は兄からの)援助要請をなかなか断れなかったのでしょう(しかも夫は実家では「出世頭」で,良い格好をしたかったのかもしれないですね)。
しかし,夫の「家族」に対する第1次的責任は自らの妻と子に対するものなのですから,これを優先する責務があり,これを逸脱した行為は慎むべきでしょう。
即ち,夫婦相互の扶養義務と親が未成熟子を扶養する義務については「生活保持義務」とされ,自己と同程度の生活を保障する義務であるのに対し,それ以外の親族を扶養する義務は「生活扶助義務」とされ,自己の地位相応な生活を犠牲にすることなく給付しうる最低生活費を支払うことで足りるとされています。家族の最小ユニット(夫婦と未成熟子)内の扶養とその外側の親族扶養の間には,質的な違いがあるといえます。
具体的には,今後,実兄から再び借金の申し入れがあった場合には「あの金を返してくれ」とか「おれにも家族があるからこれ以上は無理だよ」と断ってもらうようにしたらどうでしょうか。

回答者プロフィール

小島妙子

ジェンダー法学に詳しく著作も多いすぐれた理論家であると同時に、セクハラ・DV、不当解雇、離婚、財産分与等々、幅広く訴訟を扱う頼りになる実務家。事務所にはほか2名の女性弁護士がおり、女性からの相談の受付体制は万全です。

タグ:非婚・結婚・離婚 / くらし・生活 / 女性政策 / 小島妙子

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