女性学ジャーナル

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  • アトピー性皮膚炎は母親の責任か? 2018/05/19

    2018/05/19

    • リサーチ

    著者名:奥津 藍子

    1993年生まれ。2018年、和光大学現代人間学部を卒業。幼いころからアトピー性皮膚炎が あり、その経験をもとに、卒業論文でアトピー性皮膚炎とジェンダーについて書く。本稿 は、卒業論文を加筆修正したもの。現在は和光大学に研究生として在籍、和光GF読書会に 参加。

    アトピー性皮膚炎は母親の責任か? 2018/05/19

    論文概要:

    雨宮のエッセイにおいて、患者自身は症状によって精神的に追い詰められていたが、症状のない母親も子どもと同様に、疲れ果てていた。なお、こういったことは、雨宮らに限った話ではなく、アトピー性皮膚炎をもつ子と母をめぐっては「よくある話」である。アトピー性皮膚炎という病いを考える際には、当然「当事者」である患者自身が注目されがちだが、母親たちはその陰で、子どものケアを一身に引き受けている。彼女たちはそれぞれ壮絶な経験をしており、単なる「患者の母親」というカテゴリーには収まりきらないほどの強い当事者性を持っている。そこからは子どものケアを強迫的に遂行している様子が伺えるが、母親たちをこれほどまでに突き動かし、追い詰めるものとは何だろうか。アトピー性皮膚炎の子をもつ母親たちが抱える困難やストレスの背景にあるものを、今一度見つめ直す必要があるだろう。

    本研究は、一般に「アトピー本」と呼ばれる啓蒙書の言説分析を通じて、アトピー性皮膚炎がいかに母親の責任としてジェンダー化されるかを明らかにする試みである。

    コメンテーター:雨宮 処凛(あまみや かりん)

     読みながら、何度も「そう、まさにそうなの!」と口に出しそうになった。
     アトピーという、命に関わらない病気が蝕む子どもと母親の心。本論文に書かれているように私の母親も私と弟のアトピーの治療に奔走し、民間療法に手を出し、コロコロ変わる食事療法のブームに振り回され、ステロイドを巡って錯綜する情報に翻弄され、多大な時間とお金を費やした。しかし、それでもよくならなかった時の罪悪感ときたら。
    ある時期から、気づいていた。母が苦しんでいるのは私たちの病気だけではなく、偏見だということに。
    「子育ての仕方が悪い」かのように言う人もいれば、「妊娠中の過ごし方が悪かった」というような論調もあった。母はことあるごとに私たちに謝った。なぜ、謝ったのか。それは「自分がいい母親でないから子どもたちのアトピーが治らない」と母もまた思い込んでいたからだ。
    「愛さえあれば治る」という、科学的根拠をまったく無視した当時の言説に母は追い詰められていた。ガンなど他の病気であれば決して「母の愛があれば治る」なんて言われないのに、なぜかアトピーにだけ過剰に求められる母の愛。そして多くの家庭がそうであるように、アトピーをめぐる記憶に父の姿はほとんど登場しない。
    アトピーと母親という問題には、ジェンダーをはじめとして、この国の歪みが存分に詰まっている。そして母親は到底負えない責任を負わされて孤独な戦いを強いられてきた。が、アトピーと無縁の人たちにはまったく知られていないだろう。私が子ども時代一一主に80年代になる一一の母親たちに何が起きていたのか、この論文によって、改めて多くの発見があった。意欲的なテーマに取り組んだ著者に、拍手を送りたい。

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    論文概要:

    本論は、1970年代から1980年代初頭にかけて日本で発表された女性学第一世代の女性学に関する論稿を考察し、各研究者が初期の段階において何を問題化したのかについて論点整理を行い、草創期の女性学像を明らかにするものである。 加えて、日本では稀有だった分離型女性学を創設した水田宗子の思想を考察し、その水田が設置した城西国際大学大学院を研究の場としてきた私の立場から、私自身にとって女性学の場の意味は何であったのかを振り返るものである。 考察の結果、女性学とは、性差の権力関係を問題とし、その事態の解消を目指して、既存の学問体系に対峙する女性学的知性を構築する営みであったことが分かり、各研究者の女性学にコミットする「当事者性」を捉えることができた。また、私自身の立場から女性学とは、性差の権力構造の中で言語化できなかった個別の経験を言語化することによって、その問題構造を問い、一人ひとりがそこから解放されていくプロセスであったことを振り返った。すなわち女性学は、実存と切り離せない、各個人のフェミニズム意識の実践の場であることを結論づけた。 My position in the women's studies that Mizuta Noriko created: Reconsidering the women's studies in its founding period in Japan This paper examines the discourses of the founders of women's studies from the 1970s through the early 1980s in Japan, so as to clarify the point of argument of each scholar and how respective idea of women's studies was formed, with a special focus on Mizuta Noriko's works. Mizuta was only one in Japan who founded an independent course of women's studies, namely, the department of women's studies and its graduate school at Josai International University. Based on my personal experience as 2 one of her students, I try to accommodate what it meant to me to belong to this particular academic community, to be called a separatist strategy. By my recollection of my personal experience, I argue the following: women's studies is the product from the struggle of construction of women's knowledge; it is determined to confront the system of established academic disciplines, with the goal of eliminating gender discrimination, by questioning gender from the perspective of power relations. In this respect, personal commitment is important for individual scholars. Women's studies meant a process of self- liberation for me through which I could express my personal experiences that could not be done in the gendered structure. In conclusion, women's studies at Josai was a site of practice of my feminist consciousness, which is inseparable from individual existence.

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