このポスターでは、男性目線に抗議する「女性」の怒りは伝わってくる。しかし、「女性」というカテゴリーが他の社会地位との交差によって、多様になっていることが、うまく表現されていないと思う。「女性」というジェンダー・アイデンティティを持っているが、自分の身体をどのように構築するかについての考えや表現が多様であるということが、このポスターでは表現されていない。「女性」を表象するのに、ミニスカとハイヒールを使うことは、ある種のステレオタイプを強化していると思う。そうではなく、「女性」の身体の多様性、外見の多様性を表現したほうがよいと思う。また、実行委員会の説明の中で、「女装」するかどうかは個人の「選択」の問題になっているが、その「選択」に社会的、文化的な権力によって作られた美の規範が影響している。女性が「選択」した結果、ハイヒールを履いていれば、ハイヒールを女性に奨励している美の規範は不問にしていいのだろうか?そうではないと思う。

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