シネマラウンジ

映画と女性と社会をつなぎます。フェミニズム、ジェンダーを視野に入れつつ、映画をとおして世界の女性の多様な生の現実にふれ、ともに語りあえるような交流の場をめざしています。新作映画評、エッセイ、対談・座談会、女性監督の言葉など、映画とさまざまに関わる女性たちの〈声〉をお届けします。

映画を語る

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『ジュリアン』  愛は、言い訳にはならない  中村奈津子

2018.12.28 Fri

暴力を振るう夫から子どもと共に実家へ逃れ、離婚の申請をした妻ミリアム(レア・ドリュッケール)は、11歳の息子ジュリアン(トーマス・ジオリア)の親権をめぐって、夫アントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)と争っていた。裁判では、ジュリアン自らが書いた「僕も姉さんもあいつが嫌いです。週末の面会を強制しないでください」という陳述書が読みあげられたのだが

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る

【イベントレポート】第40回ぎふアジア映画祭  山田祥子

2018.12.17 Mon

2018年9月15日(土)から11月25日(日)にかけて「第40回ぎふアジア映画祭」が開催された。ぎふアジア映画祭は1979年にスタートし、岐阜市の姉妹都市のある国イタリアと中国の映画上映などをしていたが、少しずつ上映作品がアジアの国の映画に拡がった。2002年に市民スタッフを公募してから、アジア映画の作品本数が増えた。現在は約40人の市

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カテゴリー:イベント

『女は二度決断する』  喪失をうめる決断  中村奈津子

2018.12.02 Sun

カティヤ(ダイアン・クルーガー)は、トルコ系移民の夫ヌーリ(ヌーマン・アチャル)と6歳の息子ロッコと共に、ドイツ・ハンブルクに住んでいた。ヌーリには前科があるものの、いまはトルコ人街でコンサルタント会社を経営し、3人は平穏に暮らしていた。ところがある日、カティヤの留守中にヌーリの事務所の前で爆発事故が起こり、彼とロッコがその犠牲になってし

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カテゴリー:DVD紹介

『彼が愛したケーキ職人』  見えない愛の、甘く、豊かな味わい  中村奈津子

2018.11.11 Sun

ドイツ・ベルリンで小さな店を開く、ケーキ職人のトーマス(ティム・カルクオフ)。ドイツとイスラエルの合弁会社で働くオーレン(ロイ・ミラー)は、その店のなじみ客だった。ふたりは出会ってしばらくののち、恋仲になる。だが、オーレンは結婚しており、エルサレムには妻と息子がひとりいた。それは、もとより承知の上での関係だった。あるとき「1か月後に戻る」

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る

シニア女性映画祭 2018年  誇り高くー

2018.10.19 Fri

シニア女性映画祭 2018 高齢女性は人生の喜び、悲しみ、苦難の歳月を経たからこそ、魅力的で個性にあふれています。 いまなお、社会から退くことなく自分自身の人生を生きています。 シニア女性映画祭は、映画を通して、高齢女性の豊かさと多様さを示し、それによってシニア女性文化の創造の力になりたいと思っています。 上映作品を決定するためには、

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