映画評 「夜明け前のうた」 ―消された沖縄の障碍者― 河野 貴代美

2021.04.11 Sun
冒頭ですが、正直に言っておきましょう。これはかつて「私宅監置」を強制された「精神障碍者」をめぐる重いフィクション映画です。コロナ禍の不自由さにもましてたくさんの人々が、経済的困窮に追いやられている現在、さらなる重荷を共有するのは、ごめん被りたいとお感じになるなら、お気持ちはよくわかると申しておきます。 でも、あまり防衛的にならないでく
カテゴリー:新作映画評・エッセイ
緊急の呼びかけ:
映画と女性と社会をつなぎます。フェミニズム、ジェンダーを視野に入れつつ、映画をとおして世界の女性の多様な生の現実にふれ、ともに語りあえるような交流の場をめざしています。新作映画評、エッセイ、対談・座談会、女性監督の言葉など、映画とさまざまに関わる女性たちの〈声〉をお届けします。
映画評 「夜明け前のうた」 ―消された沖縄の障碍者― 河野 貴代美
2021.04.11 Sun
冒頭ですが、正直に言っておきましょう。これはかつて「私宅監置」を強制された「精神障碍者」をめぐる重いフィクション映画です。コロナ禍の不自由さにもましてたくさんの人々が、経済的困窮に追いやられている現在、さらなる重荷を共有するのは、ごめん被りたいとお感じになるなら、お気持ちはよくわかると申しておきます。 でも、あまり防衛的にならないでく
カテゴリー:新作映画評・エッセイ
2021.03.13 Sat
「国民総幸福度」で知られるブータン制作の、初めて見る映画である。なんとなく斬新な、若干マンネリ気味のハリウッド映画の向こうをはるようなものがみられるのかな、と思ったが、期待は違っていた。評者の勝手な想いであって、考えてみれば、なにもブータンがハリウッドとかニューエイジシネマなど意識しなくていいのである。で、簡単に言ってしまえば、若干典型的
カテゴリー:新作映画評・エッセイ
愛より親切。誰もがワケありで誰もが孤独なニューヨークでは 小さな親切が身に沁みる…. by上野千鶴子
2020.11.07 Sat
2019年ベルリン国際映画祭コンペティション部門オープニングに選ばれた、『ニューヨーク 親切なロシア料理店』(原題The Kindness of Strangers)試写に寄せたコメントです。 12月11日(土)よりシネスイッチ銀座・新宿シネマカリテ・YEBISU GARDEN CINEMA他にて全国順次公開。 【コピーライト】© 20
カテゴリー:新作映画評・エッセイ
『Disclosure/トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』 居場所のない世界を変えていく 中村奈津子
2020.09.25 Fri
どれだけ話題作が出ても、個人的に思うところがあって会員にならずにいたNetflix(ネットフリックス:定額制の動画配信サービス)。だが、この作品だけはどうしても観ずにはいられない気持ちになり、わたしは初めて会員登録をし、本作を視聴した。一言でいえば、これからの映画と映画をとりまく世界――その世界は、現実のわたしたちの暮らしと接続している―
カテゴリー:新作映画評・エッセイ
2020.09.13 Sun
西村有さん(仮名)は、大学卒業後、結婚を機に7年つとめたIT企業から引越会社へ転職した。やがて、セールスドライバーから営業職へ昇格。ひと月の勤務時間は392時間に及ぶこともあった。営業成績でトップをおさめ、猛烈に働いていた西村さんは、あるとき仕事中に事故を起こし、会社から48万円の弁償金を求められる。こうした弁償金を課せられることを、この
カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る
イベント情報
@静岡 第1回ワークショップ「子どもを性暴力から守るために」
09/30(土)14時00分〜
弘前れんが倉庫美術館◇トーク マンガを読んで人生を切り開く(
09/30(土)14時30分〜
10/03(火)19時00分〜
10/04(水)10時30分〜