法律
相談 35:男女雇用機会均等法の「セクシュアルハラスメントの防止」は公務員にも適用されますか
2016.02.02 Tue
大学の講義で、「セクシュアル・ハラスメント」について、
男女雇用均等法で、いろいろ定められていて、企業の責務がかなりあることを学びました。
今年の4月から、わたしは、地元の市役所で正規職員として働くことになりました。
「セクシュアル・ハラスメント」の防止について、企業だけでなく、市役所も対象になるのでしょうか。
その場合、男女雇用機会均等法が根拠になるのでしょうか。
市役所の職員は、企業とちがって、労働法の対象ではないと聞いたことがあるので、
ちょっと、心配になっています。
20代 女性 愛知県在住
回答
回答:35 打越さく良さん(弁護士)
地方公務員のセクシュアル・ハラスメント防止には、男女雇用機会均等法が適用されます。
市役所のセクシュアル・ハラスメント防止対策は、1997年の均等法改正によって整えられる契機を得ました。その後均等法は、2006年、2008年、2012年にも改正されています。
1998年4月6日、当時の自治省行政局公務員部能率安全推進室長から、各都道府県総務部長、各都道府県人事委員会事務局長、各指定都市総務局長、各指定都市人事委員会事務局長あてに、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等のための労働省関係法律の整備に関する法律の施行について」(自治能第40号)が送られたそうです(とても長い文書のタイトルですね…)。この文書には、「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上配慮すべき事項についての指針(平成10年労働省告示第20号)」が示され、1997年改正法が1999年4月1日に施行されるにあたり、指針は、セクシュアル・ハラスメントの防止に関して事業主が雇用管理上配慮すべき事項について定めたものであり、この指針は、地方公務員にも適用されると記載しています。
セクシュアル・ハラスメントの内容や方針を明確にし、労働者に周知啓発すること、セクシュアル・ハラスメントを行った者には厳正に対処する方針、対処の内容を就業規則等の文書に規定し、労働者に周知徹底すること、相談への対応のための窓口をあらかじめ定めること、セクシュアル・ハラスメントについては事実関係を迅速かつ正確に確認すること、その上ハラスメントを行った者と被害者に対する措置をそれぞれ適正に行うこと等の措置を市役所も講じているはずです。ご安心ください。
なお、国家公務員については、人事院規則10-10(セクシュアル・ハラスメントの防止)が適用されます。
参考文献
前田敬子・木下由香「公務職場のハラスメント防止対策」http://crf.flib.u-fukui.ac.jp/dspace/bitstream/10461/15000/1/vol45_p37-51.pdf
回答者プロフィール
打越さく良
事務所は女性弁護士が5人。事務員さんも全員女性で、あたたかく笑いのたえないところに身をおいているので、過酷な事件にもめげずに立ち向かっている。離婚、DV事件、子どもの面会交流などを多数担当。また日弁連家事法制委員会,両性の平等委員会委員でもあり,家族法改正ロビイングにいそしむ。 著書に『改訂版Q&ADV事件の実務 法律相談から保護命令・離婚事件まで』(日本加除出版)
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
性表現
LGBT
最終講義
博士論文
研究助成・公募
アート情報
女性運動・グループ
フェミニストカウンセリング
弁護士
女性センター
セレクトニュース
マスコミが騒がないニュース
女の本屋
ブックトーク
シネマラウンジ
ミニコミ図書館
エッセイ
WAN基金
お助け情報
WANマーケット
女と政治をつなぐ
Worldwide WAN
わいわいWAN
女性学講座
上野研究室
原発ゼロの道
動画












