お助け情報

お助けWANは、女性のこころと健康、仕事、法律の相談室です。このコーナーの担当者・回答者はいずれも、女性の心と健康、仕事など、暮らしに寄り添ってきた専門家です。どうぞ、安心してご相談ください。一人の悩みは、同じ悩みを抱える女性たちへとつながります。

こころ

相談67:息子が妻の実家に取り込まれたようで、心穏やかではありません。

2018.01.25 Thu

50代の主婦です。娘と息子がおり、それぞれ結婚して、子どもがいます。息子を養子にやったみたいで、なんだかなあと思う今日このごろです。息子たちが家に来るのは夏休みとお正月です。息子は仕事柄、海外への出張が多いのですが、そのたびに息子の妻は実家に帰っているようです。息子の妻には姉がいて、地元で結婚して、実家の近くに住んでいます。お姉さんには子どもがいないせいか、息子夫婦の子どもをとても可愛がってくれているみたいです。

先日、息子夫婦が我が家に帰っている時に、お姉さん夫婦が遊びに来るとのことで、街中を案内したことがありました。その時、私が孫に買ってやったTシャツのことを、息子の妻がお姉さんに「お義母さんから買ってもらったの」と言ったのですが、お姉さんから「ありがとうございました」と言われたのです。いやいやお礼を言われることではない。なんだか変だなあと感じました。また、以前、私の父の法事の時にも、息子が私に「お数珠を持ってきて」というので、持って行ったところ「お義兄さんのを借りてきたから、いらない」と言われてしまいました。

なんだか、息子が妻の実家や姉夫婦に取り込まれたようで、心穏やかではありません。友達に言わせると、そんなのさらっと「うちの孫ですからね」とか、「せっかく持ってきたのだから、こっちを使ったら」とか言えばいいのにと言われ、いいお母さんぶってるんじゃない?と言われましたが、なかなか、そんな言葉は出ません。

男の子なんて妻の実家に取られたようなもの、とはよく聞くので、そう割り切って付き合おうとは思うのですが、自分の心の持ちようをどのようにすればいいのか、教えていただきたいです。(千葉県50代主婦)

回答

回答67:河野貴代美さん(フェミニストカウンセラー)

あなたの友だちに言われたような言葉を、相手に返すことができるかできないかより、もう少し大事な認識があっていいように思われますが、いかがでしょうか?

それは、息子であろうと娘であろうと、結婚して、家庭を築いているのですから、あなたのもの(家庭)でも相手のもの(家庭)でもないでしょう。彼らの独立した「家庭」じゃないでしょうか。それで血縁関係が切れるわけでもないし、関係が途絶えるわけでもないと思いますよ。

「息子を取られたような」気分には、きびしく言えば、子どもしか生きがいのない、古い感覚が滲んでいるように思います。子どもとは親元離れていく存在だし、それを寂しく思うのは親の宿命ですね。いつまでも親と一緒というの気分のほうが、おかしい(未成熟)のでは、と私は思います。

あなたの、子どもに拘泥しない生き方を探してください。

回答者プロフィール

河野貴代美

アメリカの大学院で心理臨床を学び、日米の精神病院やファミリーサービスセンターでカウンセラーとして勤務。1970年後半にアメリカからフェミニストセラピーという言葉とその実践を持ち込んだ日本で最初のフェミニストカウンセラー。1980年2月 東京に「フェミニストセラピー”なかま”」として初めての民間開業に踏み切り、その後、日本各地でフェミニストカウンセリングルームの開設を援助し、また女性センターの相談員の教育・研修等、フェミニストカウンセリングのパイオニアとして常に第一線で活躍。アフガンのカブール大学教育心理学部でトラウマの授業、メディアのために国際会議の取材等、国際的な活躍をしてきた。著書に『自立の女性学』『フェミニストカウンセリング①②』訳書に『女性と狂気』『バイセクシュアルという生き方』等多数。

タグ:子育て・教育 / 河野貴代美 / フェミニストカウンセリング

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