シネマラウンジ

映画と女性と社会をつなぎます。フェミニズム、ジェンダーを視野に入れつつ、映画をとおして世界の女性の多様な生の現実にふれ、ともに語りあえるような交流の場をめざしています。新作映画評、エッセイ、対談・座談会、女性監督の言葉など、映画とさまざまに関わる女性たちの〈声〉をお届けします。

映画を語る

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『あなたの名前を呼べたなら』 ほんとうの関係は、そこからはじまる  中村奈津子

2019.07.11 Thu

インド第二の都市、ムンバイ。住み込みの使用人として働くラトナ(ティロタマ・ショーム)は、村への里帰り中に突然、雇い主に呼びもどされた。彼女の雇い主である、建設会社の御曹司アシュヴィン(ヴィヴェーク・ゴーンバル)が、海外で結婚式を挙げてくるはずだった・・・のだが、婚約者サビナ(ラシ・マル)の浮気を知って、急きょ結婚を破談にして帰国したからだ

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る

『田園の守り人たち』 銃後に生きた女性たち  中村奈津子

2019.07.04 Thu

第一次世界大戦がはじまった翌年の1915年、フランス。夫に先立たれたオルタンス(ナタリー・バイ)は、戦地へ送り出した二人の息子・コンスタンとジョルジュの身を案じながら、同じく夫が出征中の娘のソランジュ(ローラ・スメット)とともに、前線から遠く離れた村で農園を守っていた。 その翌年、収穫時期を前にしたオルタンスは人出が足りないことを心配し

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る

『イーダ』 戦後ポーランド、モノクロームの光と影  中村奈津子

2019.06.28 Fri

1962年、ポーランド。孤児として修道院で育ったアンナ(アガタ・チュシェプホスカ)は、修道女になるための誓いをたてる前に、唯一の肉親である伯母ヴァンダ(アガタ・クレシャ)に会ってくるよう院長から言い渡される。ヴァンダの自宅をひとり訪れたアンナは、自分が本当はユダヤ人であり、本名を「イーダ・レベンシュタイン」というのだと知らされた。 自分

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カテゴリー:DVD紹介

『ソニータ』 歌うことが生きる/抗うこと 中村奈津子

2019.06.06 Thu

アフガニスタン出身の少女ソニータの夢は、有名なラッパーになること。だが、10歳のときにタリバンから逃れるため難民としてイランへ移り、テヘラン郊外の児童保護施設でサポートを受けるティーンエイジャーの彼女にとって、それは、誰から見ても遠い夢だった。 パスポートも滞在許可証もなく不安定な暮らしを送っていたソニータと、テヘランで映像制作を学んだ

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カテゴリー:DVD紹介

女性監督ドキュメンタリー・アニメーション特集WAT 2019、東京・京都・姫路・神戸・名古屋など

2019.06.01 Sat

#MeTooの動きが変革とダイバーシティの追い風となり、女性監督がより自由に社会問題やさまざまな生き様を写し撮るようになってきたアニメーション界。 1999年から海外アニメーションのトレンドを伝え、今年20年目となった「世界のアニメーションシアター WAT 2019」が特集するのは、海外で広がるドキュメンタリー・アニメーション。日本、韓国

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カテゴリー:イベント

『沈没家族』 「家族」をさぐるロードムービー  中村奈津子

2019.05.17 Fri

「うちの家/家族って、ちょっと変なのかな?」という問いは、子どもたちの多くが、一度や二度は持つものではないだろうか。それは、自分が知る範囲のよその家と自分の家が違うことを比べて抱く、素朴な疑問の一つなのだと思う。しかし、ドキュメンタリー映画『沈没家族』を作った加納土(かのう つち)監督が子どものころに抱いた「うちって変なの?」という疑問は

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る