シネマラウンジ
映画と女性と社会をつなぎます。フェミニズム、ジェンダーを視野に入れつつ、映画をとおして世界の女性の多様な生の現実にふれ、ともに語りあえるような交流の場をめざしています。新作映画評、エッセイ、対談・座談会、女性監督の言葉など、映画とさまざまに関わる女性たちの〈声〉をお届けします。
映画を語る
2018.06.04 Mon
ジェームス・ボールドウイン(1924-1987)、なんという懐かしい名前だろう。若いころ読んだ彼の『ジョバンニの部屋』の切なさが思わずよみがえった。 本映画は、この彼が1979年に書きだしたまま、未完で終わった原題“Remember this House”に、監督のラウル・ベックがボールドウインのインタビュー、エッセイ、講演などをトレース
カテゴリー:新作映画評・エッセイ
『ナチュラルウーマン』 Fantàstica-ファンタスティックな眼差しに宿る、強さと尊厳 中村奈津子
2018.03.02 Fri
チリ・サンティアゴ。ウェイトレスをしながらナイトクラブで歌うマリーナは、年の離れた恋人、オルランドと暮らしている。二人で彼女の誕生日を祝った夜のこと、オルランドは自宅で意識を失い、マリーナが運んだ救急病院であっけなく息を引き取ってしまった。突然、最愛の人を失ったことに呆然とするマリーナに対し、次々と、心無い人たちの悪意が向けられる。医師や
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