シネマラウンジ

映画と女性と社会をつなぎます。フェミニズム、ジェンダーを視野に入れつつ、映画をとおして世界の女性の多様な生の現実にふれ、ともに語りあえるような交流の場をめざしています。新作映画評、エッセイ、対談・座談会、女性監督の言葉など、映画とさまざまに関わる女性たちの〈声〉をお届けします。

映画を語る

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『タゴール・ソングス』 普遍的で、限りなく個人的なもの  中村奈津子

2020.06.19 Fri

ラビーンドラナート・タゴール(1861-1941)は、インド・ベンガルの詩人・作家である。詩集『ギーターンジャリ』(ベンガル語で“歌のささげもの”を意味する)が世界的に注目され、1913年に非ヨーロッパ語圏で初めてとなるノーベル文学賞を受賞。文学者にとどまらず、音楽家、思想家、画家、また教育者、農村改革者としても才能を発揮し、さまざまな偉

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る

「仮設の映画館」 自宅で、映画の未来を応援しませんか?  中村奈津子

2020.04.29 Wed

仮設の映画館 http://www.temporary-cinema.jp/新型コロナウイルス感染症の影響による「緊急事態宣言」が全国に拡大され、事業主への十分な補償のない自粛要請が続く中で、映画という文化をめぐる状況も、とても厳しくなっています。特に、全国にある小規模映画館(ミニシアター)が存続の危機にさらされていることについては、『プ

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / イベント

『在りし日の歌』 時代の波に翻弄された人びと  中村奈津子

2020.04.11 Sat

1986年の中国。北方内陸部の工業都市にある国有企業で働くリウ・ヤオジュン(ワン・ジンチュン)とワン・リーユン(ヨン・メイ)は、一人息子のシンと3人で宿舎に暮らしていた。ふたりの同僚で、同じ宿舎に暮らすシェン・インミン(シュー・チョン)とリー・ハイイエン(アイ・リーヤー)の夫婦にも、偶然、シンと同じ日に生まれた息子ハオがいた。二組の親たち

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る

『プリズン・サークル』 社会に「回復」の輪を広げる  中村奈津子

2020.04.02 Thu

坂上香監督の3作目となるドキュメンタリー映画『プリズン・サークル』は、初めて日本の刑務所にカメラを持ち込み、そこで行われている「TC」と呼ばれる服役者の更生プログラムと、プログラムの受講生たちを丁寧に取材し作られた作品だ。刑務所の扉は予想をはるかに超えて固く、なんと取材許可がおりるまでに6年、撮影に2年を費やしたという。坂上監督の信念や情

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ

『娘は戦場で生まれた』 命への、普遍的な祈り  中村奈津子

2020.02.28 Fri

2010年にチュニジアで起こり、アラブ諸国に広がった「アラブの春」と呼ばれる民主化運動。その動きがきっかけとなり、2011年にはシリアでも、アサド大統領による長年の軍事独裁政権から脱し、平和的な方法で自国の民主化をはかろうとする運動が始まった。声を上げた市民に対し、アサド政権は暴力による制圧をはかり、市民の中から、自分たちの命と権利を自力

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