シネマラウンジ

映画と女性と社会をつなぎます。フェミニズム、ジェンダーを視野に入れつつ、映画をとおして世界の女性の多様な生の現実にふれ、ともに語りあえるような交流の場をめざしています。新作映画評、エッセイ、対談・座談会、女性監督の言葉など、映画とさまざまに関わる女性たちの〈声〉をお届けします。

映画を語る

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「私のちいさなお葬式」 「終わる」ことと向き合う  中村奈津子

2019.12.27 Fri

ロシアの田舎の村で、一人つつましく年金暮らしをしている73歳のエレーナ(マリーナ・ネヨーロワ)は、あるとき病院で、突然の余命宣告を受けてしまう。彼女のカルテを見た医師から、いつ心臓が止まってもおかしくない状態だ、と告げられたのだ。 彼女の夫はすでに他界し、ひとり息子のオレク(エヴゲーニー・ミローノフ)は街へ仕事に出たまま、忙しいからと5

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る

『2019シニア女性映画祭』参加報告  中村奈津子

2019.12.11 Wed

今年8回目となる「シニア女性映画祭」へ、4年ぶりに参加することができました(祝)! 今回の映画祭のテーマは、「死んどるひまはない」。初日のオープニングを飾ったドキュメンタリー映画『死んどるヒマはない-益永スミコ86歳』からとった言葉です。上映は、2日間で5作品。すべてトーク付きという贅沢な内容で、楽しく、忘れがたい映画体験ができました。

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カテゴリー:イベント

『雪子さんの足音』 女たちのエロスが向かう先  中村奈津子

2019.11.30 Sat

ある日、学生時代を過ごした街へ出張でやってきた湯佐薫(寛一郎)は、むかし下宿していたアパート「月光荘」の大家さんだった川島雪子(吉行和子)が孤独死した、という新聞記事を見つける。その足で20年ぶりに月光荘へ向かうことにした薫の胸には、当時のさまざまな思い出がよみがえっていった。 ――薫が大学3年のとき、雪子さんの一人息子が亡くなってしま

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る

映画『プリズン・サークル』が全国で公開されます!

2019.11.28 Thu

国内“初”の刑務所ドキュメンタリー映画となる、坂上香監督の新作『プリズン・サークル』の劇場公開が決まりました! 2004年に『LIFERS ライファーズ 終身刑を超えて』でアメリカの終身刑受刑者たちを追い、2014年に『トークバック 沈黙を破る女たち』で、同じくアメリカの女性受刑者たちに光をあてた坂上監督が、今回の作品では日本の刑務所に

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ

『象は静かに座っている』 この世界から疎外された人たち  中村奈津子

2019.11.21 Thu

中国の、炭鉱業が廃れた小さな田舎町。親友の妻と一夜を過ごしたチェン(チャン・ユー)は、その朝、自分の目の前で親友に自殺されてしまう。一方、娘夫婦と孫娘と共に暮らすジン(リー・ツォンシー)は、同じ朝、娘夫婦から「娘の進学のために3人で文教地区へ引っ越したいから、老人ホームに入ってくれませんか」と懇願された。 その日、ジンと同じ団地に住む高

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ