著者・編集者からの紹介
-
2016.03.23 Wed
私は森崎和江の名を谷川雁から聞いた。 「不明を愧(は)じていうのだが、私は何ひとつ知らなかった。どうして森崎和江は 谷川雁といっしょに暮らすようになったのか。それがなぜ炭坑町だったのだろう。 やがて谷川雁だけ東京に出てきて、森崎はひとり炭坑町に残った。そこにある 必然性は何だったのか」(あとがきP314) 森崎和江は当時、日本の植民地で…
タグ:DV・性暴力・ハラスメント / セクシュアリティ / くらし・生活 / 本
-
2016.03.07 Mon
竹内オサム・西原麻里編著『マンガ文化 55のキーワード』を紹介いたします。本書はタイトルのとおり、おもに日本のマンガ文化について、メディアとしての歴史やジャンルの特徴、社会的問題、隣接領域との関係などを55のトピックにわけ、コンパクトに情報を凝縮して解説した本です。それぞれのジャンルのプロの方々が執筆に参加しているため、マンガ研究の最新の…
タグ:マンガ・アニメ
-
利根川樹美子 『大学図書館専門職員の歴史:戦後日本で設置・教育を妨げた要因とは』
2016.03.01 Tue
「課題の解決を妨げてきた諸要因の歴史的解明が,現在の課題を解くカギとなる」 わたしは大学図書館で働きながら筑波大学大学院で研究し,2014年に博士(図書館情報学)を取得しました。その学位論文をもとに加筆修正して勁草書房から出版されたのが本書です。2016年1月末に本屋さんに並びました。 大学図書館専門職員は比較的多くの女性がたずさわ…
タグ:本
-
石 楿(そく・ひゃん)『ジェンダー・バックラッシュとは何だったのか――史的総括と未来へ向けて』
2016.02.25 Thu
この度、「2015年度竹村和子フェミニズム基金」の出版助成金をいただき、拙著『ジェンダー・バックラッシュとは何だったのか――史的総括と未来へ向けて』(インパクト出版会、2016年2月)を刊行することができました。 本書は、2014年9月に立命館大学大学院文学研究科に受理された博士学位論文『日本女性政策の変化と「ジェンダー・バックラッシュ」…
タグ:女性政策
-
2016.01.12 Tue
弁護士としてDV被害者の事件に取り組んできた経験から、被害者と加害者の認識には大きな齟齬がある、と気づくようになった。加害者は自分のしていることをDVと認識していない。被害者がずっと離婚しようかどうしようか悩んでいたことにも気づきもしない。だから、被害者から離婚を切り出されて、まさに「青天の霹靂」ということが少なくない。被害者は、加害者が…
タグ:非婚・結婚・離婚
-
2015.12.21 Mon
『読売新聞』読書欄で、二〇〇五年~二〇一四年に掲載された小泉今日子さんによる 書評、九十七篇を一冊にまとめました。小泉さんの書評の特徴は、何と言っても、 「その本を読みたくなる」ということにつきます。新聞掲載時は、「小泉さんが書評 で取り上げた本は売れる!」と話題になりました。作品の世界をきちんと伝えなが ら、書き手の心象風景まで浮かんで…
タグ:本
-
2015.12.13 Sun
「愛国的」な空気の息苦しさを、ジェンダーの観点から考えました。 現代のバッシングの暴力や、「女」「韓国」「中国」「在日」といった存在への攻撃は、はっきりした理由をもたない、「誰でもいい誰か」に向けられた暴力のように見えます。こうした暴力の成り立ちを、愛国的な空気と他者への無関心がセットになった社会的感性と見立て、この100年の間に現れた物…
タグ:本