本
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佐藤文香・著『軍事組織とジェンダー』、訳『兵士とセックス』 茶園敏美
2017.10.30 Mon
長い間、自衛隊研究にジェンダーの視点はなかった。日本のフェミニズムでも、軍隊ではない自衛隊の女性を論じることを警戒してきた。佐藤文香さんは、これまで日本の研究者がタブーとしてきた領域に踏み込んだひとである。そのすぐれた研究成果は、『軍事組織とジェンダー――自衛隊の女性たち』(慶応義塾大学出版会、2004年)である。 11年後の2015…
タグ:慰安婦 / DV・性暴力・ハラスメント / 憲法・平和 / 本 / DV
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『また、身の下相談にお答えします』上野千鶴子 著(朝日新聞出版 2017年9月発行)
2017.10.28 Sat
夫婦関係、親子関係、人と関係のあるところ、 つまり人間関係には悩みがつきもの。 人生のスパイスのごとく、其処ら中振りまかれている。 スパイスは、適度な刺激をもたらす要素。 人生の展開にちょうどよい酸っぱさや辛さを振りかけてくれている。 人生の酸いも甘いも噛み分けた社会学者、上野さんが大鉈を振るう。 これがまた、よく切れるから、お悩み…
タグ:くらし・生活 / 本 / 上野千鶴子 / 上野千鶴子、上野研究室
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小林エリカさんの2冊の本――『親愛なるキティ―たちへ』『空爆の日に会いましょう』 満田康子
2017.10.24 Tue
11月11日、WANのミニコミ図書館と上野研究室は「こうして戦争は始まる――孫世代が出会う「銃後の女」」というのブックトークを開催する。「女の戦争加担」という問題を提起して大きな反響を呼んだミニコミ『銃後史ノート』を、現在(いま)を読み解くツールとして活かそうという試みである(https://wan.or.jp/article/show…
タグ:本
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新井高子著『東北おんば訳 石川啄木のうた』 啄木短歌を、女の地声と目線でよむ!
2017.10.19 Thu
岩手県沿岸部を旅した2014年夏、詩にもなにかできないかと、本書の編著者で、詩の書き手でもあるわたしは考えました。海辺の一帯は広大な更地。いえ、瓦礫も残っていました。ラーメン屋に入れば、津波で夫をなくした老媼が、友だちに思い出話をしながら涙ぐみ、すし屋で隣りあった男性は、妻が震災ウツを患ってしまった、と……。あの日が忘れられつつある「い…
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