著者・編集者からの紹介
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姫岡とし子著『ローザ・ルクセンブルグ――闘い抜いたドイツの革命家』 ♦︎姫岡とし子
2020.12.26 Sat
本書は、ドイツ革命時の1919年1月に虐殺されるまで、最左派の革命理論家として妥協を排し孤立を恐れず闘い抜いたローザ・ルクセンブルクの生涯を、コンパクトにまとめた小冊子である。 ローザ・ルクセンブルクは、半世紀前の学生運動を知っている世代には懐かしい名前だ。現存社会主義を批判しながらも、革命への幻想がまだ存在していた当時、大衆による自…
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アリス・ロバーツ著、斉藤隆央訳『飼いならす――世界を変えた10種の動植物』 人間とは何かをコロナ時代に見つめなおす◆柴村登治(明石書店)
2020.12.24 Thu
上野千鶴子先生から「投稿してみませんか?」とお誘いを受けたとき、少し意外な気がしました。というのは、これまで献本させていただいた本の中には、もっとこちら(WAN)のサイトにふさわしい本があるような気もするからです(ジェンダー関連、社会学関連等)。とはいえジェンダー研究やフェミニズムも、「人間とは何か」という問いかけや人類の歩み(人類史)と…
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世界が見えるフェミニスト情報誌『f visions』No.2 ◆アジア女性資料センター 森小百合
2020.12.24 Thu
「慰安婦」被害サバイバー李容洙さんの会見は、日韓メディアの恣意的な継ぎはぎ報道によって、正義連および尹美香前理事長へのバッシングを巻き起こしました。特に日本では、韓国メディアが誤報を正した後も、当事者への取材も検証報道もなされていません。そこで本誌は、できるかぎり多様な視点からこの事態を検証しつつ課題を探ろうとこの特集を企画しました。李容…
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ジョニー シーガー著, 中澤 高志他訳『『女性の世界地図―女たちの経験・現在地・これから』 性差別と闘うための「知的武器」 ◆長島 遥
2020.12.19 Sat
1986年の原著初版刊行以来30年以上にわたって版を重ねてきた、全編まるごと女性をテーマにした情報地図帳の最新版が翻訳刊行されました。 アメリカのフェミニズム地理学者ジョニー・シーガーによる本書『女性の世界地図』は、政治、経済(仕事)、結婚、出産、スポーツ、教育、衛生、犯罪、差別など多岐にわたるテーマについて、客観的な統計データに基づき…
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石川優実責任編集『エトセトラVOL.4 特集:女性運動とバックラッシュ』 たくさんの先輩フェミニスト達からエンパワーされる一冊 ◆石川優実
2020.12.19 Sat
毎号責任編集者と特集内容が変わるフェミニズムマガジン「エトセトラ」(エトセトラブックス)。 VOL.4は#KuToo運動の石川優実が、「女性運動とバックラッシュ」について特集しました。 取材の中で福島みずほさんは、「運動をしているお姉さんたちを見て育ってきた」というお話をされています。 私はというと、2000年代のジェンダーフリーバ…
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上野千鶴子・Kanyada著『どこから来たのか どこへ行くのか ゴロウは?』 映画監督・宮崎吾朗が語った苦悩と葛藤、そして喜び スタジオジブリ出版部
2020.12.02 Wed
スタジオジブリの映画監督・宮崎吾朗。 98年の入社以来、現在に至るまで、3本の長編作品と1本のテレビアニメシリーズで監督を務めた彼は、世間の厳しい目に晒され、父・宮崎駿と衝突してもなお、アニメーションを作り続けてきました。 父と比較され、時にあらぬ酷評に晒されながらも歩んだ二十余年の日々が、決して平坦な道でなかったであろうことは、想像に…
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真行結子著『私の夫は発達障害?』 カサンドラ症候群からの本質的回復を目指して 真行 結子
2020.11.24 Tue
「カサンドラ症候群」とは、発達障害特性のあるパートナーと安定的な関係を築くことの困難を感じている人々が抱える重いストレスを原因とする、身体的・精神的症状である。 2016年の発達障害者支援法の改正によって、「発達障害者への支援は社会的障壁を除去するために行う」という理念が追加され、社会全体での発達障害のある人への支援が強化された。 こ…
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小泉明子著『『同性婚論争――「家族」をめぐるアメリカの文化戦争』 わたしたちは「家族」になれるのか? ♦︎ 小泉明子
2020.11.17 Tue
本書は、2015年にアメリカで同性婚が全米レベルで実現されるまでに、どのような紆余曲折を経たのかを法律学の視点も加えて描いた本である。同性婚(same-sex marriage)あるいは婚姻の平等(marriage equality)を認めるか否かという問題は、アメリカの文化的価値観を二分する文化戦争(culture war)の一大争点…
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