著者・編集者からの紹介
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斎藤美奈子著『忖度しません』 日本中が忖度社会になってしまったのはなぜ? ◆喜入冬子
2020.10.16 Fri
「PR誌ちくま」で長年続けている「世の中ラボ」の単行本化、第3弾です(第1弾「月夜にランタン」、第2弾「ニッポン沈没」)。毎月テーマを決め、3冊の本を選んで論じていくこの連載、2006年夏からなのでもう15年近くになります。今回は15年7月号~20年7月号のなかから選んだ42本を収録。 「バカが世の中を悪くする、とか言ってる場合じゃない…
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斎藤恵子著『九津見房子、声だけを残し 』 黎明期の社会主義からゾルゲ事件へと生きた女性の評伝 ◆斎藤恵子
2020.10.12 Mon
九津見房子の評伝です。九津見房子(1890~1980)は初の女性社会主義団体赤瀾会(せきらんかい)を創設した一人です。赤瀾会は今から約100年前、女は政治参加ができない状況下で作られたものです。 九津見房子は戦前多くの労働運動、社会運動、婦人運動に関わり、治安維持法違反の初の女性検挙者であり、ゾルゲ事件に連座した行動の人です。しかし、同…
タグ:本
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阿部正子編『てにをは俳句・短歌辞典』――昭和人へのラブレター ◆阿部正子
2020.10.11 Sun
●編集者から編者へ 65歳で停年を迎えた時、これからは楽しい辞典を作ろうと思った。 在職中に作れなかった理由は、辞典作りにはひたすら手間と時間がかかり、その分を計上すると定価がつかなくなるからだ。しかし自分の手間と時間なら無料だ! 「編集作業については無報酬」を条件に会社に企画提案して、編集者兼編者になった。 まず、ルーペを片手に「…
タグ:文学
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斎藤美奈子著『中古典のすすめ』 ベストセラーから時代を読む ◆有馬由起子
2020.10.03 Sat
「中古典」とは著者・斎藤美奈子さんの造語で、「古典に昇格する一歩手前にある、中途半端に古いベストセラー」のことです。ある時期一世を風靡した本の中には、10年、20年たっても読まれつづけ、いずれ「古典」と呼ばれるようになる本もあれば、たとえミリオンセラーになっても現在はすっかり忘れさられて、タイトルを聞いても「あー、そんな本もあったねえ」と…
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樋口恵子・上野千鶴子著『人生のやめどき――しがらみを捨ててこれからを楽しむ』 「やめどき」を逃していませんか? ◆よしのえり
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出雲朝子著『女性の文章と近代 書きことばから見たジェンダー』(花鳥社) ◆出雲朝子
2020.10.02 Fri
日本語の歴史をジェンダーの視点からみた場合、もっとも著しいのは文学作品以外の書きことばにおける男女差です。平安時代、日本語を表記する文字として平仮名と片仮名が生まれましたが、平仮名が日常生活における書記の必要から生まれ、男女ともに用いたのに対し、片仮名は主に寺院において経典等の漢文文献を学習する際、その訓読(よみ方)を書き記す必要から生ま…
タグ:本
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マシュー・ボルトン著 『社会はこうやって変える』( 坂無 淳訳) イギリスの豊富な実例からコミュニティ・オーガナイジングの手法を学ぶ 坂無 淳
2020.09.25 Fri
社会を変えるにはどうすれば良いのだろう。本書では豊富な実例から社会を変えるためのコミュニティ・オーガナイジングの考え方や手法を学ぶことができる。イギリスのシティズンズUK(https://www.citizensuk.org)のディレクター、マシュー・ボルトンによる原著How to Resist: Turn Protest to Pow…
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エシ・エデュジアン著『ワシントン・ブラック』(高見浩 訳) 「自分とは何者なのか」を探し求める人生の旅 ◆皆川裕子
2020.09.24 Thu
「私はアスリートである前に、一人の黒人の女性です」 世界が注目するテニス選手・大坂なおみの言葉だ。二度目の優勝を果たした全米オープン直前の「ウエスタン・アンド・サザン・オープン」準決勝では、白人警察官による黒人男性銃撃事件に抗議し、試合の棄権を表明(後に撤回)。「アスリートが政治を語るな」という批判にも怯まず、全米オープンでは犠牲者7…
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