著者・編集者からの紹介
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宮地尚子著『トラウマにふれる―心的外傷の身体論的転回』 傷と共にふるえる ◆藤井裕二
2020.09.03 Thu
書き継がれてきた14の論考と3つのエッセイには、ひとつの結節点がある。傷つく、傷つける、古傷がうずく、生傷に触れる、傷を舐め合うなど、心の傷のアナロジーであるばかりでなく、ショッキングな出来事の衝撃を受け止める「身体」が、それにあたる。冒頭2つの章「トラウマの皮膚に触れる」「トラウマの味と匂い」を一読すれば、心身二元論を超えた心的外傷論の…
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神原 文子著『子づれシングルの社会学-貧困、被差別、生きづらさ』 日本社会で女性がひとりで子どもを養育するとは ◆神原 文子
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石川逸子著『歴史の影に―忘れ得ぬ人たち』 早逝、自死、逃避・・・。愛惜を以て描く9篇のレクイエム ◆日高徳迪
2020.09.02 Wed
歴史の表舞台には現れがたい、私たちが誇るべき人たちの事跡に着目し、その生涯を丹念に史料を読み解き、詩人の眼差しをもって描いた異色の歴史人物評伝。 (目次) 佐伯の末裔―悪路王の宿怨 千世童子―前九年の役、十三歳の初陣 北畠顕家―後醍醐への諫状 武田松姫―八王子までの長い途 堀ろく女―遺書解説 玉蟲左太夫―奥羽越列藩同盟に奔走し…
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下郡山 和子著『恭子と汗をかきながら』 差別に苦しんでいる人、どうか、希望と勇気をもってほしい 下郡山 和子
2020.08.05 Wed
私の著書「恭子と汗をかきながら」∼重い障害の娘あなたの存在が私たちの豊かさに~を紹介します。 子育ては女の仕事とされていた時代に、虚弱で何もできないと思われていた重症心身障害児 恭子を育てた日々の様子や、さまざまな差別に出会い、孤独の中で、考え、闘い、就学保障運動をしたこと、重い障害のある人も、地域で暮らすための環境整備が必要という思…
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山田昌弘著『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』 草薙麻友子
2020.07.26 Sun
「1・57ショック」(1990年)から30年もの間、出生率が低迷している日本。当然の結果として、21世紀に入り人口減少が始まっている。家族社会学者である著者は、欧米人からは「なぜ日本は少子化対策をしてこなかったのか」と驚かれる。一方、アジアの国々の人からは「日本のようにならないためにはどうすればよいか」と聞かれる。日本を反面教師としようと…
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高橋幸著『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど——ポストフェミニズムと「女らしさ」のゆくえ』 高橋 幸
2020.07.24 Fri
フェミニズムに対するバックラッシュ後、ネオリベラリズムの進展のただなかで、「もうフェミニズムは必要ない」と主張する女性像がメディア上で流通してきた。「フェミニズムは終わった」という言説パターンを持つ思想潮流をポストフェミニズムという。フェミニズムの運動や連帯を無効化しようとする現在の言説には、保守派イデオロギーに基づくアンチフェミニズム…
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