本
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宮田加菜,中嶋優子,兼井由美子,長阪美沙子 (著), 反田篤志 (監修)『あめいろぐ女性医師』 ◆担当編集:いち編集部のリアル
2020.10.28 Wed
「あめいろぐ」とは何ですか、といわれてしまいそうだが、「アメリカで働く日本人医療従事者によるブログ」の略で、あめいろぐ。海の向こうで活躍する日本人医師らによる情報発信サイトだが、その書籍版であり5冊目になる。今回のテーマは「女性医師」。 皆さんも「女医」という言葉があるのに、なぜ「男医」という言葉ないのか、疑問に思ったことはないだろうか…
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品田知美著『「母と息子」の日本論』 すべての息子と、その母親たちへ 品田知美
2020.10.28 Wed
すべての息子たちには母親がいます。人が生まれて初めて経験する男女関係がそこにある以上、母と息子の関係性がジェンダーの領域におよぶことは自明の理です。けれども、フェミニズムはその基本的な関係性に十分に目配りをしてきたとはいえません。 私は家族を研究する社会学者として、親子の関係性を長年観察し研究を続けてきました。そこで残念に感じた現実…
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小熊英二・樋口直人共編『日本は「右傾化」したのか』 議論の前提としての事実検証 ◆小熊英二
2020.10.27 Tue
日本は「右傾化」したのか。この疑問に、簡単な回答をするのはむずかしい。 一般世論レベルでいえば、極端な右傾化という傾向は見出しがたい。たしかに、日米安保条約への賛否を「保守化」の指標とみなせば、1970年前後よりも「保守化」しているとはいえる。 しかし夫婦別姓(氏)や同性婚への賛否などでは、世論調査の結果は年を追うごとに賛成が増…
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深沢潮著『乳房のくにで』 乳離れできない国で生きる女性たちの物語 深沢潮
2020.10.27 Tue
コロナ渦中、望まないマスクが送られてきて、国という仕組みの中にいることを強く意識させられた。そして国を動かすひとびとが家父長制や男尊女卑を温存してきていることを痛切に感じ、「乳房のくにで」という小説が生まれた。 日本社会において、女性は学生時代、就職、結婚、までは、昔に比べれば露骨な差別や抑圧は減ってきたように、表面的には見える。もちろん…
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ジョアン・C. トロント・岡野八代著『ケアするのは誰か?』――ケアされる者たちによる、ケア関係のための、ケアする社会へ 岡野八代
2020.10.21 Wed
わたしのフェミニストとしてのバックボーンにある問いは、〈女性に対する抑圧の元凶はなにか〉、という問いです。それは、第二波フェミニズムの興隆の中での葛藤に起源をもっています。その意味で、わたしがこの20年取り組んでいる問いとは、すでに上野千鶴子さんが『家父長制と資本制』のなかで、問いかけた問いから一歩も前に進んでいないのかもしれません。 と…
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斎藤美奈子著『忖度しません』 日本中が忖度社会になってしまったのはなぜ? ◆喜入冬子
2020.10.16 Fri
「PR誌ちくま」で長年続けている「世の中ラボ」の単行本化、第3弾です(第1弾「月夜にランタン」、第2弾「ニッポン沈没」)。毎月テーマを決め、3冊の本を選んで論じていくこの連載、2006年夏からなのでもう15年近くになります。今回は15年7月号~20年7月号のなかから選んだ42本を収録。 「バカが世の中を悪くする、とか言ってる場合じゃない…
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斎藤恵子著『九津見房子、声だけを残し 』 黎明期の社会主義からゾルゲ事件へと生きた女性の評伝 ◆斎藤恵子
2020.10.12 Mon
九津見房子の評伝です。九津見房子(1890~1980)は初の女性社会主義団体赤瀾会(せきらんかい)を創設した一人です。赤瀾会は今から約100年前、女は政治参加ができない状況下で作られたものです。 九津見房子は戦前多くの労働運動、社会運動、婦人運動に関わり、治安維持法違反の初の女性検挙者であり、ゾルゲ事件に連座した行動の人です。しかし、同…
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