本
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キム・ジナ 著『私は自分のパイを求めるだけであって人類を救いにきたわけじゃない』 パイ(分け前)を取り戻そう ◆ 栗原和子
2021.06.30 Wed
NYタイムズでも紹介されたフェミニズム空間「ウルフソーシャルクラブ」の運営者であり、コピーライターであり、カフェ経営者でもある著者のキム・ジナさんが、自身の経験を綴ったフェミニズム・エッセイです。 韓国では発売3カ月で5刷を記録。日本でも韓国語の原書を読んだ方々のSNSなどで話題になり、日本語訳版希望の声が上がっていた話題作です。 …
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上野千鶴子・鈴木涼美著『往復書簡 限界から始まる』 いつだって時代の限界に立つ私たちの本 ◆ 竹村優子
2021.06.29 Tue
私は、上野千鶴子さんの言葉に揺さぶられ、その場で涙を流した経験が3回あります。 1回目は、2011年7月の上野さん東京大学退官の公開講演会で、東京大学でフェミニズムの講座を持つことがいかに大変だったか、でも、そのフェミニズムを後世に伝えきれなかったのではないかと忸怩たる思いを述べられたとき。 2回目が、雨宮まみさんの著書『女子をこじら…
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上野千鶴子 藤原辰史 内田樹 ほか著『「自由」の危機ーー息苦しさの正体』 取り返しがつかなくなる前に声を上げよう◆細川綾子
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阿部真紀著『暴力を受けていい人はひとりもいない』 CAP(子どもへの暴力防止)とデートDV予防ワークショップで出会った子どもたちが教えてくれたこと ◆ 藤井和子
2021.06.18 Fri
虐待・いじめ・デートDVなどの暴力防止ワークショップで筆者が出会った多くの子どもたち。その子どもたちから受けとったことを、多くのおとなに伝えていきたい。その思に押されてこの本ができました。 日々、出会う子どもたちの中には「自分はすごい人間なんかじゃない」「自分一人くらいいなくたってなにも変わらない」と口にする子もいます。 競争社会なかで…
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ジェニファー・M・ソール著『言葉はいかに人を欺くか』(小野純一訳) 言葉が本当に伝えること ◆ 片原良子
2021.06.17 Thu
本書の著者であるジェニファー・M・ソールは長年、言語哲学者として性差別・人種差別の言語行為を分析し、2011年には英国女性哲学者協会賞を受賞するなど、今もっとも影響力ある哲学者の一人です。 近年、トランプ政権が誕生し、世界的にポピュリズムが台頭してくると、フェイクニュースや扇動的な言動が堂々とメディアで拡散されるようになったのをきっ…
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2021.06.17 Thu
本書は、社会学者の江原由美子氏による1970-80年代の女性解放理論や女性解放運動についての論考集である。底本となった単行本が勁草書房より刊行されたのは1985年のことなので、35年を経ての増補文庫化だ。 I部には、イリイチのヴァナキュラー・ジェンダー論やエコロジカル・フェミニズムといった80年代の女性解放論への批判と、「性差があるか…
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宮地尚子 編『環状島へようこそ――トラウマのポリフォニー』 ◆ 木谷陽平
2021.06.09 Wed
本書『環状島へようこそ――トラウマのポリフォニー』は、2018年から2020年まで雑誌『こころの科学』(日本評論社)に断続的に連載された対談がもとになっている。すべての対談のホストをつとめるのは宮地尚子氏。長くトラウマの臨床や研究に携わってきた精神科医であり医療人類学者である。 対談のゲストは、7人の臨床家や表現者。森茂起氏、伊藤絵美氏…
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阿部正子編『訴歌―あなたはきっと橋を渡って来てくれる』 ◆阿部正子
2021.06.06 Sun
●ハンセン病療養者の命の一行詩(=短歌・俳句・川柳) もしあなたが十歳くらいの少年・少女で、親にこう言われたらどうでしょう。 「病気を治すために行くんだよ。治ったら家に帰れるからね。」親も子も、こう信じて、子は島へ渡りました。乗る船や桟橋まで一般の人とは別にされて。 *<大島丸>に乗(の)して叱られ曳航(ひか)れたる伝馬船にて着きし入所…
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ブレイディみかこ著『女たちのポリティクス』(幻冬舎新書) ◆ 羽賀千恵
2021.06.02 Wed
2016年のアメリカ大統領選でヒラリー・クリントンがまさかの敗退。ヒラリーを勝たせるぐらいならトランプに入れる。そんな「強烈な男尊女卑」が未だに存在することがはっきりしてしまったわけですが、あれから4年。カマラ・ハリスが女性で初めてのアメリカ副大統領に就任。しかも見回してみれば、コロナ禍で指導力を発揮するメルケル(ドイツ)、アーダーン(ニ…
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