本
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メアリー・ビアード著『舌を抜かれる女たち』 なにが女を黙らせるのか 葛生知栄
2020.02.01 Sat
伊藤詩織さん民事裁判、東京医科大医学部入試、ネット上での女性有名人への暴言、強迫、誹謗中傷……。女を黙らせ、権力からは遠ざけておく、そんな魂胆が透けて見えるようなミソジニーの数々。 女性たちはおおやけの場で声を上げることを封じられ、発言力のある強い女性は忌み嫌われてきました。女性が選挙権をもつようになる以前のはなしではありません。政治や職…
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長島有里枝著『「僕ら」の「女の子写真」から 私たちのガーリーフォトへ』 90年代の写真潮流を担った、当事者からの異議申し立て 南辻有里枝
2020.01.30 Thu
1990年代、写真界を牽引した若手写真家たちに与えられたのは「女の子写真」という称号でした。本書はこの時代の写真潮流に注目し、作家のジェンダーをその根拠に据えた芸術潮流やカテゴリーは成立可能なのか、また、もし可能ならどのようにそうだといえるのかについて論じています。 まずは、1990年代から2010年代までの雑誌、新聞に掲載された「女性写…
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2020.01.29 Wed
書名 サダと二人の女 著者 山下智恵子 版元 風媒社 刊行日 2018年8月10日 『サダと二人の女』を読んでください 阿部定は、本当に毒婦だったのか?刑を終えたのち、彼女はどう戦後を生きたのか? そして、定とは反対に、男を憎んで性器を切った女が、私と同年で、名古屋にいたということを知り、彼女の人生をフィクションで、そして今を生きる主…
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小倉千加子著『草むらにハイヒール』、7年ぶりの新刊 首藤知哉
2020.01.28 Tue
著者の小倉千加子氏は『松田聖子論』や『結婚の条件』などのベストセラーで知られ、難解なフェミニズムの理論を身近な話題でわかりやすく論じる《フェミニズム界いちの芸達者》です。 しかし現在は認定こども園の運営をおこなっているため多忙をきわめ、本書は2013年6月以来、7年ぶりの単行本となりました。もともとは「週刊朝日」誌上で「お代は見てのお…
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姉歯 曉著『 農家女性の戦後史』 日本農業新聞「女の階段」の五十年 姉歯 曉
2019.12.19 Thu
農業専門紙『日本農業新聞』紙面に、農家女性による投稿欄「女の階段」が登場したのは1967年のことです。それまでペンを手にすることから縁遠かった農家の女性たちが、敗戦とその後の激動を背景に生活の中での自らの思いをはじめて綴り、社会に向けて問題を提起しはじめました。 「農家の嫁」でもあった彼女たちの投稿は、男女差別の問題、嫁姑の関係、子育て…
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