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『アリ地獄天国』 その天国を守っているのは誰か 中村奈津子
2020.09.13 Sun
西村有さん(仮名)は、大学卒業後、結婚を機に7年つとめたIT企業から引越会社へ転職した。やがて、セールスドライバーから営業職へ昇格。ひと月の勤務時間は392時間に及ぶこともあった。営業成績でトップをおさめ、猛烈に働いていた西村さんは、あるとき仕事中に事故を起こし、会社から48万円の弁償金を求められる。こうした弁償金を課せられることを、この…
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新作映画評・エッセイ
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タグ:仕事・雇用 / 映画 / ドキュメンタリー / 中村奈津子
『タゴール・ソングス』 普遍的で、限りなく個人的なもの 中村奈津子
2020.06.19 Fri
ラビーンドラナート・タゴール(1861-1941)は、インド・ベンガルの詩人・作家である。詩集『ギーターンジャリ』(ベンガル語で“歌のささげもの”を意味する)が世界的に注目され、1913年に非ヨーロッパ語圏で初めてとなるノーベル文学賞を受賞。文学者にとどまらず、音楽家、思想家、画家、また教育者、農村改革者としても才能を発揮し、さまざまな偉…
タグ:映画 / 音楽 / 中村奈津子
『在りし日の歌』 時代の波に翻弄された人びと 中村奈津子
2020.04.11 Sat
1986年の中国。北方内陸部の工業都市にある国有企業で働くリウ・ヤオジュン(ワン・ジンチュン)とワン・リーユン(ヨン・メイ)は、一人息子のシンと3人で宿舎に暮らしていた。ふたりの同僚で、同じ宿舎に暮らすシェン・インミン(シュー・チョン)とリー・ハイイエン(アイ・リーヤー)の夫婦にも、偶然、シンと同じ日に生まれた息子ハオがいた。二組の親たち…
タグ:映画 / 中村奈津子 / 中国映画
『娘は戦場で生まれた』 命への、普遍的な祈り 中村奈津子
2020.02.28 Fri
2010年にチュニジアで起こり、アラブ諸国に広がった「アラブの春」と呼ばれる民主化運動。その動きがきっかけとなり、2011年にはシリアでも、アサド大統領による長年の軍事独裁政権から脱し、平和的な方法で自国の民主化をはかろうとする運動が始まった。声を上げた市民に対し、アサド政権は暴力による制圧をはかり、市民の中から、自分たちの命と権利を自力…
タグ:映画 / 中村奈津子 / シリア
『ソン・ランの響き』 愛としか呼べない音色 中村奈津子
2020.02.21 Fri
1980年代のベトナム・サイゴン(現・ホーチミン市)。身寄りのいないユン(リエン・ビン・ファット)は、高利貸しを営むズーのもとで借金の取り立てを生業としている。口数が少なく、返済が遅れた客には顔色ひとつ変えずに暴力をふるう彼は、周囲からも恐れられる存在だった。 ある日、ユンはベトナム南部の伝統歌舞劇<カイルオン>の舞台小屋へ借金の取り立…
タグ:映画 / 中村奈津子
「私のちいさなお葬式」 「終わる」ことと向き合う 中村奈津子
2019.12.27 Fri
ロシアの田舎の村で、一人つつましく年金暮らしをしている73歳のエレーナ(マリーナ・ネヨーロワ)は、あるとき病院で、突然の余命宣告を受けてしまう。彼女のカルテを見た医師から、いつ心臓が止まってもおかしくない状態だ、と告げられたのだ。 彼女の夫はすでに他界し、ひとり息子のオレク(エヴゲーニー・ミローノフ)は街へ仕事に出たまま、忙しいからと5…
タグ:高齢社会 / 映画 / 中村奈津子 / ロシア映画
『雪子さんの足音』 女たちのエロスが向かう先 中村奈津子
2019.11.30 Sat
ある日、学生時代を過ごした街へ出張でやってきた湯佐薫(寛一郎)は、むかし下宿していたアパート「月光荘」の大家さんだった川島雪子(吉行和子)が孤独死した、という新聞記事を見つける。その足で20年ぶりに月光荘へ向かうことにした薫の胸には、当時のさまざまな思い出がよみがえっていった。 ――薫が大学3年のとき、雪子さんの一人息子が亡くなってしま…
タグ:中村奈津子 / 浜野佐知 / 日本映画
『ラフィキ ふたりの夢』 描いた夢はいつか、形になる 中村奈津子
2019.11.14 Thu
ケニアのナイロビで、母(ニニ・ワシェラ)と二人暮らしをしているケナ(サマンサ・ムガシア)は、看護師になりたいという夢を持っている。母と離婚した父(ジミ・ガツ)は再婚し、雑貨店を経営しながら国会議員選挙に出馬中だ。母は父のことを恨んでいるが、ケナは、ときどき父を訪ねて店を手伝うなどして、出馬した彼のことを応援していた。 ある日、ケナは父の…
タグ:LGBT / 映画 / 中村奈津子 / 女性監督
『第三夫人と髪飾り』「女の生」を強いられた女たち 中村奈津子
2019.10.01 Tue
19世紀の北ベトナム。美しい渓谷の先にある、絹の産地を治めている大地主ハン(レ・ヴー・ロン)のもとに、14歳のメイ(グエン・フオン・チャー・ミー)が嫁いできた。一族が暮らす大邸宅には、婚期が近づいてきた一人息子のいる第一夫人のハ(トラン・ヌー・イエン・ケー)と、3人の娘をもつ第二夫人のスアン(マイ・トゥー・フオン)がおり、メイはそこで第三…
『レディ・マエストロ』 いつか、それはあたりまえのシーンになる 中村奈津子
2019.08.23 Fri
1926年、ニューヨーク。オランダからの移民ウィリー(後のアントニア・ブリコ。クリスタン・デ・ブラーン)は、指揮者になる夢をあたためていた。まだ、音楽の世界もきわめて男社会で、オーケストラの指揮者をつとめる女性は一人もいなかった時代のことだ。コンサートホールでアルバイトをしていたある日、彼女は、あこがれの指揮者メンゲルベルクがタクトを振る…
イベント情報
わたしたちの〈はて?〉~ 女性の生きづらさ はどこからくるの
11/24(日)10時00分〜
ウィメンズ・アカデミー in 明石 めざせ!女性リーダー
クレヨンハウス「原発とエネルギーを学ぶ朝の教室」第158回
働く女性の人権センターいこ☆る 秋の講座
11/24(日)14時00分〜
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