本
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石井香江著『電話交換手はなぜ「女の仕事」になったのか』 石井香江
2018.05.01 Tue
「電話交換手というと、座っているものとばかり思っていましたが、表紙の絵では立って仕事をし、しかも男性と一緒で、服装もお金がかかっていそうですね」と、献本させていただいたある研究者から早速コメントを頂いた。表表紙に使用した絵は、電話交換手がまだ「男の仕事」でも「女の仕事」でもあった時代に描かれたものだ。男性か女性のいずれかに偏った職場の写…
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博報堂キャリジョ研著『働く女の腹の底』 「#」が織りなす女性たちの物語 廣瀬雄規
2018.04.26 Thu
株式会社博報堂・博報堂DYメディアパートナーズの女性有志社員によるプロジェクト「博報堂キャリジョ研」より初めての書籍『働く女の腹の底』が刊行されました。 「キャリジョ」とは「キャリア(職業)を持つ、特にお金と時間を自分のために使いやすい子どものいない女性」のこと。今回の本では、多岐にわたる調査を行った上で、時間とお金の融通が比較的効…
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山下太郎著『お山の幼稚園で育つ』 こどもの幸せを考える「こどものみらい叢書」第2弾! 川瀬あやな
2018.04.21 Sat
幼児教育の本といえば、「知育」「頭の良い子を育てる」「○歳では遅すぎる」等とうたった、親の競争心をくすぐるハウツー本がたくさん出版されています。本書はそうした本とは異なり、幼児期の子どもにとって大切なことは何か、それを守るために大人たちは何ができるかを深く考察するエッセイです。 著者の山下太郎さんは、京都市左京区にある北白川幼稚園(別…
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吉川徹著『日本の分断 切り離される非大卒若者(レッグス)たち』 ジェンダー論の解像度を上げるフィルター 吉川徹
2018.04.21 Sat
本書は、最新かつ最大の社会調査に基づいて、現代日本に飛び交う言説や流説の正誤を見極め、わたしたちの社会の近未来の姿を俯瞰するものだ。エビデンスに基づいた研究でありつつも、近未来の実情を幅広い読者に訴えようとしている。 分析枠組みはあっけないほどシンプルだ。まず視点を現役世代(20〜60歳)の約6千万人に絞りこむ。そして男/女、若年/壮…
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17世紀からワープしてきた聡明な女性と出会う――『抒情詩集』(ソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルス 中井博康訳) 大谷恭子
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2018.04.09 Mon
この人と離れると世界がなくなってしまう、とまで思っていた夫がいたのに、別な人に出会って惹かれ、気がつくと彼と過ごす時間が増えていった。ついには元夫と別れたが、「特別な関係」はかわらず、互いの自我を見つめ合った時間はそう簡単には解消できない。そして、三人承知の上の奇妙な三角関係がはじまる。その濃密な時間はずっと続くと思われたが……。揺れ動…
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