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青木恵理子著『女たちの翼:アジア初期近代における女性のリテラシーと境界侵犯的活動』 青木恵理子
2018.06.02 Sat
翼と侵犯。翼は理想世界への飛翔のイメージ。創造的で心地よい。侵犯は、現状を否定し傷つきながら前進していくイメージ。破壊的で痛みを伴う。近代以降、女性たちが世界を変えようとするとき、翼と侵犯という相反する思いが、常に女性たちと共にあったのではないだろうか。19世紀末から20世紀初めアジア各地で、近代的なリテラシーを獲得し、それによって新し…
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後藤太輔著『フィギュアスケートとジェンダー——ぼくらに寄り添うスポーツの力』 ジェンダーギャップランキング114位の日本で、2020年東京オリパラをどう迎える? 山田亜紀子
2018.06.02 Sat
フランスのデザイナー故イブ・サン=ローランはアルジェリア戦争で徴兵され「男らしさ」を求められた。それに答えられなかった彼はうつ病を発症し除隊、精神病院へ収容され、以降薬物依存に苦しめられることとなった――。 くまのプーさんのティッシュカバーをリンクに持ち込む羽生結弦に熱狂し、出場選手各国の国旗を競技会場に持参するスケオタ。「カワイイ…
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小島妙子著『Q&A 財産分与と離婚時年金分割の法律実務』 近藤草子
2018.06.02 Sat
離婚後の生活資金に焦点を当て、離婚事件に携わる若手からベテランの弁護士をはじめ、DV等に悩む女性からの相談を受ける行政やNPO法人等の方など、相談を受けた際の的確な初動対応のノウハウ、家庭裁判所や年金事務所等での実務・手続を知り、活用できるような内容を心がけました。 特に、熟年離婚の経済事情には、男女雇用格差問題が背景にあるため、年…
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片山誠=著『もしときサバイバル術 Jr.——災害時に役立つスキルを手に入れろ!』 片山誠=
2018.05.25 Fri
72時間サバイバル教育協会代表理事の片山誠です。 2011年、東日本大震災のあの日から、僕は時間をつくっては被災地にボランティアに行っていました。たくさんの人たちと出会い、お話をしていくなかで、アウトドアの世界に身をおく自分にできることは何かを考えるようになりました。でも、数年が経ち、被災地の話題もあまり出なくなり、よくいわれている「…
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2018.05.21 Mon
食が大事ってことは、誰もが知っています。 ただ日々の忙しさにいい加減になったり、いつでも当たり前に食べられる世の中になった結果、飽食に走ったり,ただお腹が満足すればいいと、餌のように食べる人も増えてきました。 工業製品のようにきちんと管理して野菜など育てているものも増えました。 食の乱れは、社会の乱れにつながり、病気になる人、何か精神…
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ブレイディみかこ他著『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』 最後のお願いに参りました ブレイディみかこ
2018.05.19 Sat
♯Me Too運動が盛り上がる英国で、それに比べるとずっと地味ではあるが、♯Free Periodsという運動もある、ということを少し前に雑誌に書いた。18歳の女の子が率いるこの運動は、英国政府に女子学生への生理用品の無料配布を求める活動を行っており、その理由は貧困家庭の10歳以上の少女たちが生理用品を買えないために生理になると学校を休…
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クォン・ユンドク 絵/文、桑畑優香 訳『花ばぁば』 『花ばぁば』のタイトルに込められた想い 木瀬貴吉
2018.05.18 Fri
日本軍「慰安婦」とされたシム・ダリョンさん(2010年死去)の証言をもとに制作された絵本『花ばぁば』日本語版を4月に刊行しました。 本書は、田島征三さんら日本の絵本作家が中国、韓国の作家に呼びかけて、2007年に始動した「日・中・韓 平和絵本」シリーズとして創作されました。作者は、韓国絵本界の先駆者クォン・ユンドクさん(1960年生まれ…
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中里見博他著『右派はなぜ家族に介入したがるのか』 憲法24条と9条は非暴力平和主義の両輪 中里見博
2018.05.18 Fri
いま、憲法24条と9条が、改憲の危機にあります。 9条は、いうまでもなく、「戦争放棄」と「戦力不保持」を定めた条項。24条が定めているのは、夫婦同権や、家族に関する法律が「個人の尊厳」「両性の本質的平等」に立脚すべきことなどです。 9条が「右派」──憲法を「後ろ向き」に変えようとする人びとで、「日本会議」や安倍首相などが代表的な社会…
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ばかばかしいほどの女性圧殺だが――『問題だらけの女性たち』(ジャッキー・フレミング著/松田育子訳/2018年/河出書房新社)■渋谷 路世