
2019年6月22日NPO北海道ネウボラオレンジリボン運動告知ページ(FBより)
全国のニュースでも連日報道されていたので、多くの方がご存知かとおもうのであるが、先月札幌で大変悲しい事件が起きてしまった。
札幌市内で起ってしまった、2歳児の虐待死事件である。
あれからちょうど1ヶ月たち、まだ声衰えぬ中、今度は仙台市でもネグレクトによる子どもの死亡事件が話題であり、子ども虐待の防止、母親の育児へのSOSは緊吃の課題である。
NPO北海道ネウボラはフィンランドネウボラの取り組み、すなわち、子ども虐待防止の切り札とされる日本版ネウボラ「子育て世代包括支援センター」の在り方・枠組み等についてまで普及啓もうする団体であるので、今回の子ども虐待死のニュースを受けて、北海道内のメディアが頻繁に私をコメンテーターに取り上げたのだ。
同時に、NPO北海道ネウボラの運営する子育て相談の場やイベント、LINE@による相談室までもテレビのニュースで取り上げていただいたりという状況となった。

札幌市における子育ての課題
NPO北海道ネウボラの設立は4年前の2015年。
この3年超に及ぶ活動から、メディアがこのような折に反応していただけるようになっていたということがわかり、とてもありがたいことであると感じている。
しかしながら、団体設立の時期と、今回の被害女児の妊娠がほぼ同時期である。
私はこのことに強い無力感と大きな喪失感、何よりも無念さを感じるのである。
設立と同時に、様々な有識者や行政などとも懇談してきた。
子育てと子ども虐待を鑑みてフィンランドのネウボラというものがとても有用であるということ、そして、日本版ネウボラとして厚生労働省がガイドラインを出している「子育て世代包括支援センター」を単なる枠組みとせず、フィンランドネウボラの理念を持つものにするべきであるということを、様々な場面で訴えてきた。

地域の連携が子育てを救う
それなのに!!
今回の事件は起きてしまった。
今回の報道でも、『警察と児相の連携』についてが強く示唆されており、私もテレビでその点についてのコメントしたものも放送はされたのであるが、直接的な原因としては今回は確かにその『警察と児相の連携』に課題があった。
ただし、『それ以前の連携』がそもそもの上流にあるのだ。
当団体設立後すぐから、右図のイメージを提示して各機関にネウボラの必要性をお伝えしてきている。
どこの人たちも回答はこうだった。
『わかっている』
『札幌市は適切に取り組んでいる』
『そんなことはわかっている、私たちは必至にやっている。』
みんながわかっていたのに事件が起きてしまった。
そんなバカなことってあるだろうか。
わかっているならなぜやらないのだろうか。
私が活動を始めて、みんながわかっているといったあの時。
女児はまさしく乳幼児期をすごしていて、母親も支援を求めていた。
誰かが私の声を聞いて、何かをしてくれていたなら、絶対に防げた事件だったのである。
私は乳児院でのボランティアもしている。
そこに彼女がつながってくれればよかった。
もし、つながれていれば、私も彼女と何かしらの関わりがあったのかもしれない。
そう、思うと、ますます、悔しくて悔しくてたまらなかった。

2019/6/22NPO北海道ネウボラ街頭啓発スピーチ
結局、その後、ただの主婦であり、
何の力も持たない。
何の立場もない。
そんな、私ができたことと言えば、
札幌駅横の街頭に立ち、
スピーチをし、
子ども虐待防止を願う
オレンジのリボンを配布することだけであった。
配布物の協力は北海道の保健福祉部と、
国際ソロプチミスト札幌からいただくことができた。
また、オレンジリボン運動の協会が急な発注にも関わらず、
オレンジのTシャツを大至急札幌まで届けてくれた。
SNSで協力を呼び掛けた手作りのリボンの寄付は、
当団体スタッフらと一般の市民から思った以上に寄せられ
子ども虐待を二度と繰り返さないことを願うオレンジリボン運動の形となった。
しかしながら、その後行政の動きとしては、第三者委員会を設置したと報道があったきりである。
第三者とはいったい誰なのだろう。
本当に第三者なのだろうか。
第三者委員会の評価がでるまでことは進まないであろう様相となっている。
実は団体を発足する2015年12月より少し前の時期にも
同じような子どもの虐待死があり、
検証された報告書も札幌市のホームページには掲載されている。
私が目を通した限り、その時と状況は酷似しており、
これ以上、何を評価に時間を要するものであろうか。

子ども虐待を取り巻く諸課題に切り札として道外で実績を上げている日本版ネウボラ事例が多々増えてきている中、どうして実行できないのだろうか。
虐待の問題に限らず、私たち子育て世代が望む、
フィンランドネウボラが叶えている、横でつながる関係共生社会。
なかなかこの北海道・札幌市ではとても難しいことのようである。
重要な政策についての理解ができるリーダーが必要である。
重要な政策について即時実行できるリーダーが必要である。
7月にはまた選挙というものもある。
私たち有権者ができることは、活動で声をあげること。
そして、数字の差にあきらめず、若い世代が選挙に行くこと。
でしか、やはりないのだと、痛感した6月。
私たちのできることを半歩ずつ、でも確実に動かしていこう。
全ては声をあげることから始まる。
私たちは、この無力感に負けず、絶対に社会を変えられる。
私たちは、子ども虐待による悲劇を二度と起こさないことを絶対にあきらめない。
~報道いただいた各種メディア~
6/8 STVどさんこワイド札幌市2歳児虐待死問題点についてコメント
6/11・12 HTBイチオシ札幌市2歳児虐待死より母親の孤立をどう防ぐかコメント
&相談事業MamMamステーションについて紹介
HTBニュースサイト 増える相談件数 虐待から子どもを守るには
6/12札幌市2歳児虐待死ついて各機関の連携を求めるコメントが道新に掲載
6/22 HTB&STVニュースでオレンジリボン運動街頭啓発の活動について報道
6/23 毎日新聞 児童虐待防止「悲しみ繰り返すな」 札幌でNPO訴え /北海道
報道いただきありがとうございました。
↓↓YouTubeチャンネル
『事業再生出版 ビジネス経営雑学&お悩み相談Channel』
にも、取り上げていただきました。
編集カットなしの毒トーク含むネウボラ対談、以下の動画からご覧いただけます!
①児童虐待防止策!育児支援「ネウボラ」とは?
②子供虐待防止策!育児支援「ネウボラ」とは?PART2
~人生が160°変わった!主婦の社会活動という選択~
#1【ただの主婦】
#2【ネウボラ】
#3【WANとの出会い①】
#4【WANとの出会い②】
#5【シグナル①北大と私】
#6【シグナル②明るいニュース】
#7【孤立母子①】
#8【#MeTooとネウボラ①】
#9【ネウボラ活動と私①】
#10【ネウボラ活動と私②】
#11【ネウボラ活動と私③】
#12【夫の家庭活躍】
#13【3つの満月と藻岩山】
#14【北海道の統一地方選挙2019】
#15【北海道の統一地方選挙2019続】
#16【若者が選挙に関心ない3つの理由】
#17【パパ育休なにそれおいしいの】
#18【子どもの貧困原因は親の低賃金】
NPO北海道ネウボラ代表 五嶋絵里奈(ごしまえりな)
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
性表現
LGBT
最終講義
博士論文
研究助成・公募
アート情報
女性運動・グループ
フェミニストカウンセリング
弁護士
女性センター
セレクトニュース
マスコミが騒がないニュース
女の本屋
ブックトーク
シネマラウンジ
ミニコミ図書館
エッセイ
WAN基金
お助け情報
WANマーケット
女と政治をつなぐ
Worldwide WAN
わいわいWAN
女性学講座
上野研究室
原発ゼロの道
動画






